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インフレ目標達成時期削除!住宅ローン金利はいつ上昇する?日銀見通し

このページでは、住宅ローンに関する各種ニュースや情報をご紹介します。
2018年4月30日

3ヶ月に1回更新されている日銀の「経済・物価情勢の展望レポート」の最新版が4月に発表されていますね。このレポートでは日銀の物価見通しが述べられておりますので、今後の住宅ローン金利の動向を予測する上で参考になりそうです。

1980年代のバブル崩壊以降、金利がずっと低下してきている主な理由は、いつもご案内しているように日本銀行=日銀が積極的な金融緩和を実施しているからですね。それに伴い、住宅ローン金利もずっと低下しています。

特に2013年からは異次元の金融緩和=「異次元緩和」がスタートし、2016年にはついに「マイナス金利政策」まで導入されましたので、住宅ローン金利は劇的に低下して今に至ります。細かく見れば2016年秋から多少金利は回復しているものの、その上昇幅はごくわずかであり、引き続き「超低金利」と言える状態です。長期金利の推移は以下の通りです。



つまり今後、住宅ローン金利が上昇するかしないかは「日銀の金融緩和次第」ということです。金融緩和が続く限り住宅ローン金利は低金利を維持する一方で、金融緩和が終了すれば住宅ローン金利は上昇に向かうというわけですね。

ではいつ金融緩和が終了するのか気になってくるわけですが、今はその基準も明確になっておりますのでとても分かりやすいですね。具体的には「物価上昇率=インフレ率が安定的に2%を超えてきた時」ということです。

ではこれまでの物価上昇率がどのように推移しているかと言うとこうなっています。



要するに0%近辺をウロウロしているわけで、今のところ住宅ローン金利が上昇する兆しは全くありません。

足元では「+1.1%」となっておりますが、ただこれは値動きの激しい生鮮食品やエネルギー価格の影響で、実際、緑のラインで示された「食料・エネルギーを除く物価指数」は引き続き0%近辺に留まっており、物価上昇圧力は極めて弱いです。

なおいつもご案内していることですが、2014年4月から物価上昇率=インフレ率が大きく跳ね上がっているのは消費税増税の影響です。と言うのも物価は「税込み」で集計されるからです。

もちろんそうした「人為的」な物価上昇が永続するはずもなく、増税の影響が消えた1年後にはきっちり低下していることが分かります。こうして見ると、「アベノミクス」や「異次元緩和」が2013年にスタートして5年以上経つのに物価はあまり上昇していないわけで、「2%のインフレ率達成」は「相当先」であるのは間違いなさそうです。

そうした点を踏まえ、冒頭ご案内した日銀「経済・物価情勢の展望レポート」の最新版=2018年4月発表分の中身をチェックしてみると今後の物価上昇率について、半年前、3ヶ月前の発表と比較して以下のように予想しています。

・2017年度 : +0.8% → +0.8% → +0.7%
・2018年度 : +1.4% → +1.4% → +1.3%
・2019年度 : +1.8% → +1.8% → +1.8% ※増税の影響を除く

前回のレポートと比較して微妙に下方修正されたということですね。この日銀の物価展望は毎回下方修正されてきましたので、その点では「予定調和」と言えます。

実際、2017年度に「+0.7%」だったものが、2018年にいきなり「+1.3%」に上昇し、2019年に「+1.8%」になるという見通しはやっぱり「強気すぎる」のではないかと思います。

そうしたわけでちょっと意地悪ですが、これまでの日銀の物価上昇率予想の変遷を集計してみるとこうなります。



緑の「2015年」や青の「2016年」の物価上昇率予想が典型例ですが、当初は2%程度と予想されながら、徐々に下方修正されていき、最終的には0%もしくはマイナスで着地していることが分かります。

とすると「2017年」はほぼ確定かと思いますが、「2018年」も「2019年」の予想も同じように推移すると考えてしまうのが当然ですね。果たして日銀が期待するように徐々に上昇していくのでしょうか?

記者は悲観的ですが、仮に日銀の予想通りとなったとしても「2019年時点でまだインフレ率は2%を下回っている」という予測ですから、現時点で慌てる必要はなさそうです。

なお今回の「経済・物価情勢の展望レポート」の最大のハイライトは

・「2019年度ごろ」としていたインフレ率2%目標の達成時期について文言を削除した。

という点です。当初、「2015年には達成する」と言っていたわけですが、未達成なまま現在に至ります。その点では誰もが「2019年のインフレ目標達成は無理だろうな」と思っていたわけですが、日銀も渋々それを認めるということですね。

ちなみにこの発表をもってしても、為替相場も市場金利も反応しておりませんので、「誰も信じていなかった」ということです・・・形骸化していた大本営発表を取りやめるタイミングとしては、黒田総裁が再任されたこの時期が一番良かったのでしょうね。

なおこの「いつまでも達成できないインフレ目標」について、軌道修正する方法としては2つありました。

1.インフレ目標を引き下げる。

2.目標達成時期を引き延ばす。

てっきり2%目標を諦め、1の「インフレ目標を引き下げる」という判断をするのかと思っていましたが、実際には実質的に2の「目標達成時期を引き延ばす」という方を選択したということですね。

とすると日銀にはまだまだ「2%の呪縛」が続くことになりますので、これからも「金融緩和は維持され、金利も低いまま」ということになります。住宅ローン利用者としてはベターな選択と考えて良さそうです。

もちろん、日銀がどうしても金利が上げたくなった時には「長期的には目標達成に向かっているので金利を引き上げる」という詭弁が成り立つという指摘があるかもしれませんが・・・。

なお当サイトでは、3ヶ月に一度発表されるこの「経済・物価情勢の展望レポート」に加え、毎月発表されるインフレ率=消費者物価指数もご案内しておりますので、

・物価上昇 → 金融緩和縮小・終了 → 市場金利上昇 → 住宅ローン金利上昇

という動きが気になる方は定期的にチェックしていただければと思います。

そうしたわけで結論としては、インフレ目標達成と同じく住宅ローン金利が上昇するのも「相当先」ということですね。ぜひ読者のみなさんには、金利が低い間に借り入れ・借り換え手続きを済ませ、1日も早く・1日も長く低金利の恩恵を享受されることをお勧めしたいと思います。

参考になさってください。

<日本住宅ローンプランニング編集部>

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