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前回のコラムでは総務省の「家計調査報告」から、年齢別の負債残高などをご案内しました。
>>>引き続き40歳未満の住宅ローン急増中!同年代の貯蓄・負債額はいくら?家計調査
今回はより具体的にライフステージ別の住宅ローン残高などをご案内したいと思います。出典はリクルートが3月に発表した「2017年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査」です。
あくまで「首都圏」の「新築戸建て」契約者のデータとなりますが、ライフステージ別の集計データというのはあまり見かけませんので有用なものですね。
ちなみに「ライフステージ別」とはこの調査では以下のような区分けになっています。
・独身男性
・独身女性
・夫婦のみ
・子供あり
・シニア(50歳以上)
50歳以上=シニアという区分けはやや違和感がありますが、60歳以上にしてしまうと新規で戸建てを買う人はかなり少なくなってしまうので仕方ないのでしょうね。
では早速、物件の購入価格はこうなっています。
・独身男性 : 3,570万円
・独身女性 : 2,242万円
・夫婦のみ : 3,976万円
・子供あり : 4,238万円
・シニア(50歳以上) : 4,188万円
首都圏だけあって全国平均より高めかと思いますが、概ねイメージ通りの金額分布ですね。独身女性が一番安く、子供あり世帯が最も高いという結果ですね。
では気になる住宅ローン借入額はこうなっています。
・独身男性 : 3,027万円
・独身女性 : 1,928万円
・夫婦のみ : 3,735万円
・子供あり : 3,792万円
・シニア(50歳以上) : 2,882万円
物件の購入価格と比べるとシニア世帯の借入額がかなり少ないですね。それだけ自己資金が充実していたということかと思いますが、では具体的に自己資金はいくらだったかと言うとこうなっています。
・独身男性 : 1,035万円
・独身女性 : 1,003万円
・夫婦のみ : 459万円
・子供あり : 610万円
・シニア(50歳以上) : 2,494万円
購入価格−住宅ローン借入額≒自己資金かと思いきや、全然違いますね!それはともかく、シニア世帯の自己資金2,494万円が目を引きますが、独身男性・独身女性の自己資金がどちらも1,000万円以上というのもかなり印象的です。
逆に言えば一般的なライフステージよりかなり早く資産形成が進んでしまった独身の方々が住宅購入を決断しているということなのかもしれませんが、これからマイホームを購入しようとされている方はこうした高めの自己資金額をぜひ目標にして、頭金づくりにいそしんでいただければと思います。
なお、
・(自己資金+住宅ローン借入額)−購入価格≒もしものための手元資金
とすると、こういう計算になります。
・独身男性 : 492万円
・独身女性 : 689万円
・夫婦のみ : 459万円
・子供あり : 218万円
・シニア(50歳以上) : 1,188万円
自己資金と同じく、シニア世帯の1,188万円という金額が印象的ですが、それと同じくらい印象的なのが独身女性の689万円という金額ですね!
記者ならそれだけ資金に余裕があるならグレードアップやより広い物件に目移りしそうですが、慎重ということですね・・・もちろん良いことだと思います。特に独身世帯は今後のライフステージの変化が読みにくいと思いますので、なおさらこうした手元資金は重要になってくると思います。
またシニア世帯と言うか50歳以上世帯もまだまだ教育費がかかる上に10数年後に年収が大きく減るのだとすると、手元資金は大切ですね。
恐らく広範囲に調査するともう少し大人しい金額になるのだとは思いますが、参考になる数字がより安全なものとなっているのであれば問題ありません。
住宅ローンの年齢別のデータは多いですが、こうしたライフステージ別のデータはあまりありませんので、特に独身男性や独身女性の方は参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>