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6月となりました。いよいよ夏のボーナス支給のタイミングが近づいてきていますね!
住宅ローンを借りている方にとっては繰り上げ返済の、そしてこれから住宅ローンを借りようとされている方にとっては借入のチャンスと言えます。住宅ローンの借入には一定の頭金が必要ですからね。
またすでに住宅ローンを借りている方は、繰り上げ返済だけでなく借り換えについても検討していただければと思います。現在の借入の金利が1.5%以上あるような方=固定金利で借りている方は、結構な借り換えメリットが出てくるのではないかと思います。
ただ借り換えには数十万円の手数料がかかりますので、いつでも簡単にできるものではありません。その点でもこの夏のボーナスが支給されるタイミングというのは良いチャンスですね。
そのように住宅ローンを借りている方にとっても、これから借りようとされている方にとっても、住宅ローンを比較検討する機運が高まっているのではないかと思いますが、まずはいつものように金利環境をチェックしていきます。
これまでの金利動向を振り返ると、上記グラフの通り基本的には右肩下がりだったわけですが、特に2016年1月末に発表された「マイナス金利政策」の影響で大きく低下しました。
ただ一方で2016年秋以降は一転してジワジワ上昇してきていますね。そのキッカケは2016年7月末に発表された「追加金融緩和」が期待外れに終わったことです。同時に検討が発表された「金融緩和の総括」に対する懸念もあったのかもしれません。
さらに2016年11月のアメリカ大統領選挙においてトランプ氏が勝利したことでアメリカの金利が上昇し、それにつられる形で日本の長期金利はさらに上昇しました。
ではその後の日本の長期金利はどうなっているかと言うと・・・2017年以降はそうした金利上昇も一服し、極めて安定的に推移していることが分かります。いきなり「無風」状態となったわけですね。
細かく見ても1ヶ月前は「0.040%」で今日は「0.045%」ですから、わずかに上昇しているものの「ほぼ変わらず」ということです。やっぱり安定していますね。
いずれにしても金利が低位安定しているのであれば、住宅ローン利用者としては安心できるわけですが、その背景にあるのは日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」、別名「イールドカーブコントロール」です。
これは「日銀が直接的に市場金利をコントロールしていく」金融政策ですが、この枠組みの元で現状の長期金利の操作目標は「0%」に設定されています。今のところその「0%」は具体的に「−0.1%〜0.1%の間」と考えられています。
実際、長期金利の動向を見てみると、2016年9月のこの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」発表以降、その「−0.1%〜0.1%の間」に収まっていることが分かります。
2017年2月3日には長期金利は一時「0.15%」まで上昇し、節目である0.1%を超えましたが、日銀がすかさず「無制限の指値オペ」を実施したことですぐに0.1%以下の水準まで低下しました。また2017年7月7日にも一時「0.10%」を超えましたが、これまた指値オペで金利が低下しています。2018年2月2日には3回目の指値オペが実施されましたが、やはりその後金利は低下しています。
上記の通り本日の長期金利の値=「0.045%」も、やはり「−0.1%〜0.1%」の範囲内ですね。
この日銀の「金利コントロール力」が確かなものであるのなら、新たな金利上昇要因が現れたとしても長期金利は+0.1%を超えることはなく、住宅ローン金利も大きく上昇しない、ということになります。
他方で「長期金利は−0.1%を下回ることもない」ということでもありますから良いことばかりではありませんが、しかし住宅ローン金利はすでにこれ以上下がるのは困難なレベルまで下がっていますからね。その点では「金利上昇リスクがない」ことの方がありがたいと言えそうです。
そのような金利環境を理解した上で、具体的に三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の大手銀行=メガバンクの6月の住宅ローン金利をチェックするとこのような結果となっています。
・変動金利 : 据え置き
・10年固定金利 : 据え置き〜+0.05%引き上げ
・20年固定金利 : 据え置き〜+0.05%引き上げ
・30年固定金利 : 据え置き〜+0.05%引き上げ
長期金利は1ヶ月前と比較してほぼ変わらずという水準ですが、ただ先月中旬に少し金利上昇したこともあり、固定金利については「据え置き」と「+0.05%程度引き上げ」で対応が分かれました。
ちなみに先日の当サイトのコラムでは「6月の住宅ローン金利は概ね据え置きながら多少の金利低下が期待できる」と予想しました。
結果は残念ながら上記の通り「金利低下」どころか「金利上昇」が目立っておりますので大外れでしたね・・・反省です。
>>>[6月の住宅ローン金利予想] 低下の余地あり 更なる金利競争に期待!
[2018年6月の住宅ローン金利]
上記ご案内したように、メガバンクの6月の住宅ローン金利は
・変動金利 : 据え置き
・10年固定 : 据え置き〜わずかに上昇
・20年年固定 : 据え置き〜わずかに上昇
・30年年固定 : 据え置き〜わずかに上昇
と言った動きになりました。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、フラット35・20の金利は別のコラムにて既にご案内しておりますがこうなりました。
・フラット20金利 : 1.30% → 1.31% (+0.01%上昇)
・フラット35金利 : 1.35% → 1.37% (+0.02%上昇)
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
先日のフラット35・20の金利予測では
・フラット20金利 : 1.30% → 1.32% (+0.02%上昇)
・フラット35金利 : 1.35% → 1.37% (+0.02%上昇)
と予想しました。こちらもフラット20については微妙に外しました・・・。
>>>[6月のフラット35金利予想] 前月比+0.02% フラット35表面金利1.37%?
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、先月と今月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.428%〜0.457% → 0.428%〜0.457% (据え置き)
・10年固定 : 0.760% → 0.810% (+0.05%上昇)
・20年固定 : 1.140% → 1.160% (+0.02%上昇)
・30年固定 : 1.220% → 1.240% (+0.02%上昇)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 0.975% → 0.975% (据え置き)
・10年固定 : 1.000% → 1.050% (+0.05%上昇)
・20年固定 : 3.000% → 3.050% (+0.05%上昇)
・30年固定 : 1.590% → 1.640% (+0.05%上昇)
>>>最新の金利はこちら
どちらも残念ながら、全般的にわずかに金利引き上げということですね・・・今月の住宅ローン金利の動きを象徴したものと言えそうです。
さてこちらも当サイトで人気の新生銀行の6月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.600% → 0.600% (据え置き)
・10年固定 : 1.150% → 1.100% (−0.05%低下)
・20年固定 : 1.600% → 1.600% (据え置き)
・30年固定 : 2.000% → 2.000% (据え置き)
こちらも10年固定金利をわずかに引き下げています。
加えて「新しく住宅を購入される方向け」のキャンペーンが提供されており、それを利用すれば金利はこのようになります。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.600% → 0.550% (−0.05%低下)
・10年固定 : 1.100% → 1.050% (−0.05%低下)
・20年固定 : 1.600% → 1.550% (−0.05%低下)
・30年固定 : 2.000% → 1.950% (−0.05%低下)
>>>最新の金利はこちら
なお新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
また、10年以上経過すると徐々に金利が下がっていき、最大で50%ダウン=半分となる金利タイプ「ステップダウン型金利」の発売を開始しています。ユニークですね!長期固定金利の住宅ローンの利用を考えている方は参考にしてみてください。
[2018年7月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り当面は日銀の「金利操作」によって長期金利は概ね「−0.1%〜0.1%」の範囲内で推移するものと思われ、住宅ローン金利もまた大きく上昇することも大きく低下することもなく、「細かな金利変動にとどまる」と考えられます。
実際のところ、足元の長期金利は多少の上下動はあっても全体的には極めて安定的に推移しているわけですからね。来月=7月の住宅ローンは基本的には今月と同じく「大きな変化なし」ということになりそうです。
ちなみに。
今後の「本格的な」金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
では足元の物価動向はと言うと、多少上昇しているものの金融緩和を縮小・終了させるにはまだまだ力不足です。
そうでなくても少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもありません。最近の物価動向は以下の通りです。
政府や日銀が目指すように日本経済が本格的なインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことであるのは間違いなさそうですね。
ここで長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
このグラフから「金利上昇の教訓」を探ろうとすれば、前回の景気回復が始まった2003年に長期金利は0.435%の最低金利をつけた後、急速に上昇し、1.5%前後にまで実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけでむしろ安心しても良いという気すらしますが、とは言いつつ住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れていただければと思います。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2018年6月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.428%〜2.675%
・10年固定:0.63%〜3.85%
・20年固定:1.00%〜3.05%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今まで考えられなかったような、極めて魅力的な金利水準ですね!
長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」であるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>