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住宅ローンの金利タイプのシェアに関する調査について信頼できるものはいくつかありますね。ざっと復習していきたいと思います。
まず1つ目は国土交通省が住宅購入者に対してアンケート調査を行ったものでこのようになっています。
変動金利型のシェアがずっと60%前後を維持しているという結果ですね。
2つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「2016年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。
こちらは変動金利型のシェアが5割前後ですね。
3つ目は住宅金融支援機構が「民間住宅ローンの貸出動向調査」でこのようになっています。
こちらも変動金利型のシェアが5割前後となっています。
最後に国土交通省が発表した「平成29年度民間住宅ローンの実態に関する調査」ではこのようになっています。
こちもやはり変動金利型のシェアは5割前後ですね。
2015年から2016年にかけて、やや変動金利型のシェアが落ちている傾向が見られるものの、それでも圧倒的な1位であることに変わりはありません。
そうした前知識を得た上で、先日発表された本題である住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」では、金利タイプランキングはこのようになっています。
こちらも変動金利型のシェアが5割前後となっていて違和感がありません。
しかし。
この調査においては、違和感がないことこそニュースなのですね!「調査会社A社」と言い訳していますが、2015年第3回以前をご覧いただければわかる通り、住宅金融支援機構はこれまで「全期間固定型金利が一番人気!」という飛んでもないフェイクニュースを喧伝してきました。
「調査会社A社の偏ったサンプルのせい」と言い訳するかもしれませんが、 上記3番目の調査=住宅金融支援機構自身が公表していた「民間住宅ローンの貸出動向調査」で正しい住宅ローン金利タイプのシェアを把握していたわけですから、全く言い訳にはなりません。
フラット35の元締めとして「全期間固定型が人気」と思わせたかったのでしょうけれどウソはいけませんね・・・独立行政法人なわけですから。
いやむしろ独立行政法人だからこそ機構の調査スタッフによる「忖度」が行われたのだ、という深淵な指摘があるかもしれませんが・・・。
それはともかくとして、住宅ローン利用者としてはこの「民間住宅ローン利用者の実態調査」が信頼できる内容になったことは歓迎すべきことだと言えます。というのも上記の通り最新の調査期間は「2017年10月〜2018年3月」となっており、他の調査が現時点では「2016年度止まり」である点を踏まえれば、極めてタイムリーです。
特にその2016年度の調査結果は、やや変動金利人気に陰りが見え始めていましたので尚更ですね。
というわけで、2016年9月調査から2018年3月調査までの半年ごとの金利タイプのシェアをチェックしてみるとこうなります。
・変動型:49.2%→47.9%→50.4%→56.5%
・固定期間選択型:36.9%→35.1%→36.9%→30.1%
・全期間固定型:13.9%→17.0%→12.6%→13.3%
2016年度下期=2016年10月〜2017年3月にややシェアを落とした変動金利型ですが、その後は順調にシェアを回復させ、足元では約6割になっているということですね。
その分シェアを落としているのが固定金利型というわけですが、足元では特に「固定期間選択型」の退潮が鮮明です。
確かに過去1年で人気の10年固定金利や、極端な低金利が印象的だった3年・5年固定金利がジワジワ上昇する一方、変動金利はむしろジワジワ低下傾向にありますから、風向きが変わるのも当然と言えます。
さらに日銀のイールドカーブコントロールによって金利上昇がガッチリ抑え込まれているわけですからね。当面金利上昇リスクがなくて、金利が最も低いわけですから、住宅ローン利用者の方々が変動金利型を選ばれるのも理解できます。しばらく変動金利型人気は続きそうです。
そうしたわけで今回も「住宅ローン金利タイプランキング」の結果は
1位:変動型
2位:固定期間選択型
3位:全期間固定型
ということになりました。参考になさってください。
もちろん、いつもご案内しているように人気の金利タイプ=自分にとってベストな金利タイプ、ということではありませんが。
<日本住宅ローンプランニング編集部>