※当サイトには広告リンクが含まれています。
ここ最近の金利動向を振り返ると転機となったのが、もう1年半前となりましたが、2016年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことですね。大きく反応したのがアメリカ債券市場で、アメリカの長期金利は急激に上昇しました。
それにつられる形で日本の長期金利もまた上昇したわけですが、ただ日本の住宅ローン利用者として心強いのは、現在実施されている日銀の「金利操作付金融緩和=イールドカーブコントロール」によって長期金利はおおむね「−0.1%〜0.1%」の範囲内でコントロールされるているという事実です。
2017年の2月や7月に長期金利が一時的に0.1%を上回った時も、「指値オペ」によってすかさず0.1%以下に引き下げられています。今年の2月2日にも同様に「指値オペ」が実施されました。やはり日銀が目を光らせている間は「0.1%を上回る金利上昇」というのはなかなか無さそうです。
本日の「+0.035%」という水準もその「レンジ内」ですね。
なお具体的な7月の住宅ローン金利予測については以下記事にて詳しく述べておりますので参考になさってください。
>>>[2018年7月の住宅ローン金利予想] ほぼ据え置き ボーナス時期の競争に期待!
結論としては「概ね据え置きになる」としております。
ただ、夏のボーナスが支給されるというタイミングで積極的に金利引き下げをしてくる銀行が出てくるかどうかという点には注目しておきたいと思います。
とは言いつつ。
本題の7月のフラット35住宅ローン金利を予測するのはずっと簡単です。
と言うのも、フラット35金利のベースとなる住宅金融支援機構の「機構債」の条件がすでに発表されているからですね!したがってここから長期金利がどう動こうとも、少なくとも7月のフラット35金利はほぼ確定です。
と言うわけでその「機構債」金利から、7月のフラット35住宅ローンの金利を予想してみたいと思います。
ちなみにフラット35住宅ローンの金利は概ね以下のような金利の積み上げで決定されているようです。
1.ベース金利=機構債金利
+
2.住宅金融支援機構のフラット35事業運営コスト
+
3.販売金融機関のマージン
残念ながら上記2や3の詳細な内訳は分かりませんが、しかしこれらがほとんど変動しないとすれば、上記1、つまり機構債の条件の変化がそのまま出来上がりのフラット35金利の変化となります。
では具体的に今月=6月発行の機構債の条件はと言うと、前月4月と比較してこのように変化しています。
◆前月と今月の住宅金融支援機構債の発行条件
・0.42% → 0.39% (−0.03%低下)
1ヶ月前の長期金利が「+0.060%」で本日は「+0.035%」とわずかに下落したことから、それに準ずる形でこの機構債の金利も「低下」になったということですね。
フラット35の金利としては最低水準にある楽天銀行をベースにするとこのように変化することになります(いずれも団信込の金利)。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(単純計算)
・フラット20金利 : 1.31% → 1.28% (−0.03%低下)
・フラット35金利 : 1.37% → 1.34% (−0.03%低下)
概ねこんなものだとは思いますが、念のためもう少し精度を高めるべく、過去6ヶ月の機構債の金利変動と、楽天銀行のフラット20、フラット35の金利変動をチェックするとこうなっています。
・2017年12月の機構債金利変動 : 0.40%→0.42%(+0.02%上昇)
1月のフラット20金利 : 1.27% → 1.30% (+0.03%上昇)
1月のフラット35金利 : 1.34% → 1.36% (+0.02%上昇)
・2018年1月の機構債金利変動 : 0.42%→0.46%(+0.04%上昇)
2月のフラット20金利 : 1.30% → 1.32% (+0.02%上昇)
2月のフラット35金利 : 1.36% → 1.40% (+0.04%上昇)
・2018年2月の機構債金利変動 : 0.46%→0.42%(−0.04%低下)
3月のフラット20金利 : 1.32% → 1.29% (−0.03%低下)
3月のフラット35金利 : 1.40% → 1.36% (−0.04%低下)
・2018年3月の機構債金利変動 : 0.42%→0.40%(−0.02%低下)
4月のフラット20金利 : 1.29% → 1.30% (+0.01%上昇)
4月のフラット35金利 : 1.36% → 1.35% (−0.01%低下)
・2018年4月の機構債金利変動 : 0.40%→0.40%(据え置き)
5月のフラット20金利 : 1.30% → 1.30% (据え置き)
5月のフラット35金利 : 1.35% → 1.35% (据え置き)
・2018年5月の機構債金利変動 : 0.40%→0.42%(+0.02%上昇)
6月のフラット20金利 : 1.30% → 1.31% (+0.01%上昇)
6月のフラット35金利 : 1.35% → 1.37% (+0.02%上昇)
フラット35・フラット20の金利は機構債の金利に概ね連動していることが分かります。
とは言いつつ念のため前回条件決定日である5月18日の市場金利を本日の金利と比較してみたいと思います。
・ 5年もの金利 : −0.119% → −0.113% (+0.006%上昇)
・10年もの金利 : 0.039% → 0.037% (−0.002%低下)
・15年もの金利 : 0.270% → 0.263% (−0.007%低下)
・20年もの金利 : 0.513% → 0.505% (−0.008%低下)
・30年もの金利 : 0.720% → 0.716% (−0.004%低下)
恐らくフラット35・フラット20の平均残存期間はそれぞれ15年・10年といった感じかと思いますので、15年もの金利・10年もの金利が参考になりそうですが、10年もの金利は「15年もの金利よりわずかに小幅な動き」ということですね。そうしたわけで当サイトの7月のフラット35金利予測はこう結論づけたいと思います。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論)
・フラット20金利 : 1.31% → 1.29% (−0.02%低下 ※団信込)
・フラット35金利 : 1.37% → 1.34% (−0.03%低下 ※団信込)
多少ひねりたくなってしまいますが、果たして当たるでしょうか・・・。
ちなみにこの予測に楽天銀行の金利を利用しているのは、楽天銀行のフラット35は、金利+手数料のトータルコストが最低水準だからです。同じフラット35でも銀行によって金利や手数料が異なりますのでご注意ください。
また、上記金利はあくまで「予測」ですので、実際の金利は来月1日以降に正式発表されてからご確認いただければと思います。
>>>フラット35の最新金利について詳しくはこちら
ちなみにこのフラット35、フラット20、そして機構債の金利推移をグラフにするとこのような感じになります。
上記の通り2017年10月の金利上昇は例外として、過去6年間の平均値を見る限り、フラット35・フラット20の金利変動と、機構債の金利変動との間に大きな差はありません。つまり概ね連動してきたということです。
そして今月=6月の機構債の金利はわずかに下落しましたので、「7月のフラット35・フラット20住宅ローン金利もわずかに下落する」ということですね。
参考になさってください。
みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。
<日本住宅ローンプランニング編集部>