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住宅ローンの破綻率はどれくらい?住宅金融支援機構の2018年3月期決算から読み解く

このページでは、住宅ローンに関する各種ニュースや情報をご紹介します。今回取り上げるニュースはこちら。
2018年7月9日

マイホーム購入や住宅ローン借入時には気持ちが乗っていてそれほど気にならないかもしれませんが、しかしもしかすると契約書にハンコを押すタイミングで頭をよぎるかもしれないのが、「ちゃんと返済できるのだろうか?」という不安です。

結論から言えば「それほど心配ない」ということでいいと思います。なぜなら、もしみんながバンバン住宅ローン破綻しているのであれば、今のような住宅ローンの低金利は絶対維持不可能だからです。

仮に住宅ローンの変動金利が0.5%、経費が0.2%、資金調達費用が0.1%だとすると、住宅ローンの貸し倒れ率は「0.2%以下」ということになります。

また多少の利益は欲しいところでしょうから、0.1%の利益が見込めるとすると、貸し倒れ率は「0.1%以下」ということですね。

上記の数字は適当ですが、とはいえ変動金利が0.5%前後という水準にあるのは事実ですから、貸し倒れ率が「0.1%以下」というのは当たらずとも遠からずという感じではないかと思います。

もちろん実際には「貸し倒れ=住宅ローンが完全に返してもらえない状態」となる前に担保=自宅の処分が行われますので、「マイホームを手放さざるを得なくなった」というのを住宅ローン破綻と定義するなら対象者はもっと増えるとは思いますが、それでも自宅を売却して住宅ローンがチャラになるのであれば「破綻」という語感からはかなりギャップがあります。

いずれにしても今の住宅ローン金利から推定されることは

・自宅を売却してもローンを返し切れない住宅ローン破綻のボリュームは全体の0.1%以下

ということですね。これはまさに担保として自宅があることに加えて、銀行側もしっかり審査しているからなのでしょう。

その点では住宅ローン利用者は隠し事をせず、ありのままの家計の姿を銀行に伝えて判断してもらうことが大切ですね。「かぼちゃの馬車」事件のように、通帳や収入証明書を改ざんするなど論外です・・・。

では具体的な住宅ローンの破綻率を、このほど発表された住宅金融支援機構の2018年3月期決算から読み解いてみたいと思います。

ちなみに住宅金融支援機構の住宅ローンは、2007年以前の「公庫融資」と2003年以降の「フラット35」に分かれますので、それぞれの中身をチェックするとこうなります。

<フラット35(買取債権)>

・残高:14兆7,979億円
・要注意先:281億円
・要管理先:633億円
・破綻懸念先:26億円
・実質破綻先:335億円
・破綻先:122億円

どこまでを「住宅ローン破綻」と定義するかによって解釈が異なりますが、「破綻」という文字が入っている「破綻懸念先+実質破綻先+破綻先」をそうだとするとその合計は483億円ということになります。

残高は14兆7,979億円ですから、その割合は「0.3%」ということですね。上記想定より少し高いですが、しかしこの金額の半分以上が担保によってカバーされているとすれば、実質的な破綻率は0.1%台に低下することになります。

メデタシメデタシ・・・では終わらないのは上記の通りまだ2007年以前の「公庫融資」分が残っているからです。こちらはこうなります。

<公庫融資(貸付金)>

・残高:8兆4,723億円
・要注意先:4,747億円
・要管理先:5,361億円
・破綻懸念先:1,209億円
・実質破綻先:877億円
・破綻先:543億円

同じように計算すると破綻先の合計は2,629億円となり、8兆4,723億円の残高からすると「3.1%」に跳ね上がります!半分が担保によってカバーされていたとしても「1%台」ということですね。

ではこの「0.3%」と「3.1%」のどちらが正しいのでしょうか?

結論から言えばどちらも正しくありません。片方ずつを見るのではなく、トータルで把握する必要があるからですね。というわけで両者を合算するとこうなります。

・残高:23兆2,702億円
・破綻先:3,112億円

ここから破綻率を計算すると「1.3%」ということになります。担保カバーを考慮すると「1%以下」といった感じですかね。

ただこれも正確かと言うとちょっと違うと思います。というのも金融自由化の流れの中でこの「公庫+フラット35」の残高は大きく減少しているからですね。決算書から抜粋するとこうなります。



表示されている10年間で見ても残高が半減していることが分かります。仮に10年前の42兆円が「本来あるべき残高」であるとすれば、破綻率は「0.7%」ということですね。今発生している破綻案件も大部分はその残高に含まれていたわけですから、納得感はありそうです。

加えて、上記に倣いその過半が担保によってカバーされているとすれば実質的な破綻率は「0.5%以下」となるでしょうか。

まだ上記で推測した「0.1%以下」という水準からは乖離がありますが、「0.1%以下」にせよ「0.5%以下」にせよ、住宅ローンの破綻率がそこまで高くないことが分かります。

だからと言って住宅ローン返済に関して慢心して良いわけではありませんが、過度に心配する必要もないということですね。統計的には「200人中199人」は破綻せずに返済できているということです。

住宅ローンの借入に当たっては楽観することも悲観することもなく、なるべく正しい姿を把握していっていただければと思います。

最後に、参考までにソニー銀行の財務データをチェックしてみると2017年9月期の中間決算ではこういう数字になっています。

・残高:1兆5,593億円
・破綻先:0.76億円

既に処理済みなのかわずか76百万円ですね・・・破綻率はわずか「0.005%」です。これに延滞債権なども含めると23億円に増加しますが、それでも「0.15%」にとどまります。

うまく住宅ローン審査が機能しているということかもしれませんが、ネット銀行が低金利で住宅ローンを貸し出せるはずですね!

参考になさってください。

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