住宅ローンの借入は人生の一大イベントですね。失敗が許されないとすると慎重にも慎重を期す必要がありますが、とすると気になるのがみんなの借入状況かもしれません。

というわけで先日、住宅金融支援機構から発表された「フラット３５利用者調査」から２回に分けて、住宅ローン利用者の属性や、その借り入れ条件を見ていきたいと思います。 まずフラット３５の融資区分はこのようになっています。



全体を見ると、戸建てとマンションの割合は８：２で、圧倒的に戸建ての割合の方が高いということですね。東京に住んでいるとマンションのチラシの方が多いくらいですが、全体から見れば少数派ということになりそうです。

特にフラット３５は優良住宅限定ですので、よりマンションに向いていそうですが、実態はそうではないのですね・・・。

ではいよいよ本題に入っていきますが、フラット３５住宅ローン利用者の平均年齢はこのように推移しています。



２０１７年の平均年齢はちょうど４０歳ということですね。過去１０年を振り返ってもほとんど変化はないです。

ただ一方で人数のシェアで見れば３０歳未満＋３０歳代＝６割となっており、実感としてはもう少し若そうですね。３０代＝住宅ローン適齢期と考えて良さそうです。

とは言いつつ年齢だけで適齢期とは言えません。やはり結婚して、子供が生まれて、生活基盤だったり生活圏がある程度固まるといったライフステージの変化も重要だと言えます。そうした状況をうかがい知ることができるのが家族構成ですが、ではフラット３５住宅ローン利用者の家族数はどうなっているかと言うとこうなっています。



２０１７年の平均家族人数は３．２人ということですね。こちらも過去１０年を振り返ってほとんど変化はありません。

やはり結婚して、１人目の子供が生まれて、少し落ちついた頃が住宅ローン適齢期となっている様子がうかがえます。内訳をみても「３人以上」のシェアは７割近いですね。

ちなみに２００８年・２００９年のリーマンショック直後にはなぜか単身者のシェアがポコッと増加していますね。単身者は相対的に危機に強いということかもしれません。

それでは最後にフラット３５住宅ローン利用者の平均年収はと言うとこのようになっています。



２０１７年の平均は５９８万円ということですね。平均「世帯」年収はそれくらいかと思いますので納得感があります（ちなみに世の中の平均年収は４００万円程度でしょうか）。

ただ一方で平均年齢が４０歳と考えると、もしかするとやや高めなのかもしれませんね。

ちなみにこちらの年収のトレンドを見てみると明らかに低下してきているように見えます。１０年前の２００７年は平均６９０万円で、２０１７年は初めて６００万円を割り込み５００万円台になったことが分かります。

２００８年に起きたリーマンショックの影響も多少はあるかもしれませんが、これは恐らく低金利の影響でしょうね。この１０年、マンション価格は上昇しても戸建て価格は上昇していませんので、金利が下がればそれだけ総返済額が減り住宅ローンは借りやすくなります。

そのように金利低下によって住宅購入や住宅ローンの裾野が広がっているのであれば良いことですね。実際の年収倍率や返済負担率の推移については次回のコラムにてチェックしてみたいと思います。

そうしたわけで「４０歳＆家族３人＆世帯年収６００万円」というのが平均的な住宅ローン利用者の姿となります。

これはフラット３５利用者のデータですが、民間住宅ローン利用者のデータもそう大きくは変わらないと思います。

参考になさってください。

＜日本住宅ローンプランニング編集部＞