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気が付けば長期金利が0.155%に上昇していますね!あくまで1.55%ではなく、0.155%なので、一般の方々からすれば「それがどうした?」ということになるのでしょうけれど、これまで長期金利は日銀によって「0.1%以下」になるようコントロールされてきましたので、それを大きく超えてきたということにドキリとします。
長期金利のグラフをチェックするとこのようになっています。
今まで0.1%以下で推移してきた長期金利が7月から上昇を始めついに0.155%にまで上昇してきたわけですね。このように長期金利が上昇している理由は大きく2つあります。
1つ目はアメリカの長期金利が急上昇していることですね。節目である3%を超え、3.186%まで上昇しています。アメリカ経済が好調であることに加え、NAFTAの枠組みが維持されるなど「貿易戦争」への懸念が後退していることも要因なのでしょう。
世界の金融市場はつながっていますのでアメリカの金利上昇は日本の金利にも上昇圧力となります。
2つ目はもっと根本的な要因となりますが、7月末に日銀が長期金利の変動幅の「上限」をこれまでの0.1%から0.2%に引き上げたのですね!そうしたわけで金利上昇圧力が強まる中、日本の長期金利が0.1%を超えて上昇を続けるのは当然だと言えます。
では今後、長期金利はどこまで上昇するのでしょうか?
・・・答えはもう書いてしまっていますが、0.2%ですね。つまりは長期金利はあと+0.045%上昇する余地があるということです。
では住宅ローン金利はどうでしょう?
今月=10月の住宅ローン金利がいつ決定されたかにもよりますが、仮に9月25日あたりに決定されたとすると当時の長期金利が0.13%ですから現時点で「+0.025%」の上昇余地が生まれていることになります。
仮に今月の住宅ローン10年固定金利が「0.800%」とするなら、来月は「0.825%」になるかもしれないということですね。
さらに長期金利が0.2%まで上昇するとすれば上記の通りその上昇幅は「+0.045%」ですから、10年固定金利は「0.870%」まで上昇する可能性があるということです。
ではこの「0.800%」と「0.825%」、「0.870%」でどれくらいの差があるか計算してみるとします。3,000万円×30年とすると毎月の返済額はこうなります。
・0.800% : 93,760円/月
・0.825% : 94,099円/月
・0.870% : 94,710円/月
最大でも1,000円増えないくらいですね。その点では現時点で大慌てする必要はありません・・・が。
気になるのは日銀がインフレ目標が達成できていないにも関わらず、金融緩和の「副作用」を気にして、実質的な金利上昇を容認したという点です。
「副作用」とは主に金融機関の収益力低下ですが、この収益力低下は構造的なものですので今後もますます深刻化していくとすれば、日銀がズルズルと金利を引き上げていく可能性は十分あるということです。
今のところ金利が下がる要因は見当たりませんので、その点でも住宅ローンを借りるなら「早い方がいい」のは間違いなさそうです。
なおいつも書いていることですが、このように長期金利上昇の影響を受けるのは住宅ローンの中でも「固定金利タイプ」です。「変動金利タイプ」は短期金利をベースにしていますが、短期金利は引き続き「−0.1%」が誘導目標で低位安定していますので、上昇する余地は今のところありません。
代表的な短期金利である無担保コールON金利をチェックするとこうなります。
2016年1月のマイナス金利政策発表以降、マイナス水準で推移しているわけですね。
金利上昇の動きが気になる方は「変動金利タイプ」の利用をご検討ください。「変動金利タイプ」が一番「変動しない」というのは何とも奇妙な状況ですが・・・。
ちなみにこの無担保コールON金利の推移をもう少し長い期間でチェックしてみるとこうなります。
80年代のバブル崩壊以降、ずっと0%近辺で推移してきたことが分かります。いわゆる「ゼロ金利政策」ですね。この20年間、住宅ローンの変動金利タイプが下がる一方だった理由はこれです。
少子高齢化が進む日本で再び80年代のようなバブルが来ると思っている方は少ないと思いますが、とすると住宅ローンの変動金利タイプが大きく上昇する心配は杞憂と言えそうですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>