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今朝のアメリカ株=NYダウは831ドル安と目が覚めるような暴落でした。記者も文字通り目がパッチり覚めました・・・。
ただ上記グラフを見ると今年の前半にも少なくとも3回大幅に下落しており、あまり神経質になる必要はないのかもしれませんが、そうしたアメリカ発の株価下落を受けて、本日の日経平均も前引で914.94円安と大きく下がっています。
下落率だけを見れば「−3.89%」ということで「暴落」という響きほどではないものの、それでも1,000円近い下げというのは強烈ですね。
さてこうした株価下落を喜ぶ人はいないと思いますが、住宅ローン利用者として「棚ぼた」と言えるのは、株価下落=金利低下であり、株価が下がれば下がるほど住宅ローン金利にも低下圧力が加わることになります。
「株価下落=金利低下」 という関係性を覚えるのは簡単そうですが、では一体なぜ株価が下がると金利が下がるのでしょうか?
そのメカニズムとしては短期的なものと中長期的なものと大きく2つです。
まず「短期的なメカニズム」としては、株価が大きく下がると投資マネーが一旦、リスク資産である株式から逃げ出します。逃げ出すのはいいのですが、現金で持つことは物理的にも安全性の観点からも現実的ではありません。とすると投資マネーは「安全な金融資産」に向かうことになります。
具体的には国債ですね。そうなると国債の需要が高まるわけで、需要が高まれば値段が上がります。つまり国債の価格が上昇しますが、その国債の利率は決まっていて変動しませんので、相対的に金利が低下することになります。
例えば1万円の国債の利息が100円なら利率は1%ですが、2万円に値上がりしても利息は100円のままなので利率は0.5%になる、ということです。
このように株価暴落時には投資マネーが安全資産である国債に向かうことで金利が低下するのですね。
ではもう1つの「中長期的なメカニズム」とはどういうものでしょうか?
株価が下落する時というのは基本的には景気が後退したり、経済に何等かの問題が発生している時ですね。つまりは「経済がうまく行っていない」わけで、そういう時に中央銀行である日銀は経済活動を下支えするために、金融政策の一環として政策金利を引き下げます。
政策金利が引き下がれば、企業の借入金利が下がり、支払い利息が減ることで直接的に企業収益にプラスとなるほか、企業としても「融資を受けて積極的に投資しよう」という意欲が増します。
そうなれば資金がどんどん回り始め、景気の浮揚効果が期待できるわけですね。
また最近では、「景気後退→株価下落」という動きだけでなく、「株価下落→景気後退」という、「シッポが犬を振る」といったあべこべの現象が起きがちですね。金融活動が実体経済に及ぼす影響が大きくなっているわけですが、とすると尚更、この「株価下落によって政策金利が下がる」メカニズムももまた強化されていると言えるのかもしれません。
そうしたわけで住宅ローン利用者としては「株価下落→金利低下」という発想を持っておいていただければと思います。
今般の世界的な景気拡大局面はリーマンショック直後の2009年から始まり、ほぼ10年が経過しようとしています。いつ世界的な景気後退局面が来てもおかしくありません。
そしてもしそうなれば国債金利も政策金利も住宅ローン金利も下がるということですね。
株価の下落や景気後退を期待しているわけではありませんが、将来の金利動向を占う上では、そうした大局的な金利のメカニズムを理解しておくことが必要ですね。参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>