1年後の消費税増税後の消費落ち込みを避けるために各種の経済対策が検討されていますが、「住宅購入支援策」については主に以下のような案が報道されています。
1.住宅ローン減税の拡充
2.すまい給付金の増額、条件緩和
3.住宅の新築・改築にポイントを付与する仕組み≒住宅エコポイント
中でもインパクトが大きいのが1つ目の「住宅ローン減税の拡充」ですね。現状の減税メリットはこのようになっています。
・住宅ローン残高の1%を減税(最大40万円)×10年=最大400万円
すでに最大400万円ものメリットがあるわけですから、年数を伸ばすにせよ、減税率を高めるにせよ、そのメリットは数十万円単位で増えることになります。
では今のところどういった案が検討されているかと言えば
・10年間のメリットはそのままに、その後の3年間(11年目〜13年目)で「建物価格の2%」を減税
という何とも変則的な形ですね・・・。
仕組みは分かりにくいですが、要するに土地には消費税がかかりませんので、「建物価格の2%」とはまさに今回の増税インパクトそのものであり、それをそっくりそのまま3年かけて減税しますよ、ということですね。
これによって基本的には増税インパクトはほぼ消え去ることになります。すばらしい!
厳密に言えばそれ以外の手数料に関わる増税インパクトが残りますが、恐らく数万円のレベルでしょうし、すでに決定されている「すまい給付金」の増額を考慮すれば十分カバーできるものと思います。年収とすまい給付金額の関係はこうなっています。
・消費税8%時
収入425万円以下 : 30万円
収入475万円以下 : 20万円
収入510万円以下 : 10万円
・消費税10%時
収入450万円以下 : 50万円
収入525万円以下 : 40万円
収入600万円以下 : 30万円
収入675万円以下 : 20万円
収入775万円以下 : 10万円
>>>住宅ローン減税/住宅ローン控除について
さらに新築物件などでエコポイントまでもらえるのであれば、これからのマイホーム購入は「増税後に購入する方がお得」と結論づけて良さそうです。
ただ一方で、もし増税前に買った方がお得なのだとするとこういったケースが考えられます。
1.支払っている所得税や住民税が少なく減税メリットをフルに受けられない。
上記の通り、これら住宅購入支援策の中で一番大きいのは住宅ローン減税ですが、これは文字通り「減税」です。仮に最大値である40万円の減税メリットを得られたとしても、支払っている税金が40万円未満であれば使い残すことになります。
この「使い残し問題」は世帯年収400万〜600万円といった平均的な家計の場合に割と起こると聞いたことがありますので、気になる方はご自分の支払っている税額をチェックしてみてください。
2.購入を遅らせて得られるメリット以上に住宅価格が上昇する。
仮に増税によるネガティブインパクトが中和され、すまい給付金などによってむしろメリットの方が大きくなったとしても恐らくそうしたメリットは多くて10万円〜20万円といった金額かとおもいます。
住宅価格が3,000万円なら1%にも満たないメリットですが、一方、最近の住宅価格の推移をチェックしてみると国土交通省の発表する住宅価格指数はこのようになっています。
特にマンション価格の上昇傾向は鮮明ですね・・・。地域別にこれら内訳をチェックしてみるとこうなります。
地域によってもかなりデコボコがありますが、しかしマンション価格の高騰傾向は鮮明ですね!全国平均では過去1年で4.6%上昇しており、建物価格にしかかからない消費税の増税インパクトをはるかに超える上昇が続いていることになります。
こうした上昇傾向がこのまま続く保証はありませんが、各種対策によって「増税インパクトがほぼなくなりそう」だからこそ、こうした物件価格そのものの変動にご注意いただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>