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あっと言う間に2019年となりましたが、今年の秋には消費税増税が待ち構えています。消費者としては残念ですが、住宅市場も住宅ローン市場も「駆け込み需要」でそれなりに盛り上がるのでしょうね。
ちなみに何度もご案内しているように、住宅ローン減税の拡充などの「増税対策」を勘案すれば、場合によっては「増税後に買った方がトク」という事もあり得ます。増税を過剰に意識せず、じっくり良い物件を探していただければと思います。
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加えて住宅ローン市場に思わぬ追い風となりそうなのが最近の金利低下傾向ですね。2018年10月ごろから金利は低下をはじめ、足元ではマイナス水準まで低下しています。
背景にあるのは、この10年好調を維持してきた世界経済の減速・後退懸念ですね。確かに、いつかはそうした不景気が訪れるのは間違いありませんが、他方で実体経済は好調であり、先行きの予測はかなり難しいです。
今年は金利も株価も、各種イベントに一喜一憂しながら上下を繰り返すことになりそうです。
となると住宅ローン金利も上下を繰り返すということかもしれませんが、加えて「金利上昇要因」として押さえておかないといけないのは、2018年7月末に日銀が長期金利の「上限」を従来の0.1%から0.2%に引き上げたことです。
実際、2018年7月から9月の3ヶ月は、長期金利は日銀の思惑通り緩やかに上昇を続け、0.15%を超える水準まで上昇しました。もし再び金利上昇局面となれば、長期金利は0.2%まで上昇する可能性が高いということですね。
その場合、住宅ローン金利は今の水準から+0.2%程度上昇することになりますのでご注意ください。
ただし。
いつもご案内しているようにそのように金利が上昇する可能性があるのはあくまで住宅ローンの中でも「固定金利」の方ですね。「変動金利」の方はベースとなる短期金利が低位安定していますので上昇の余地はあまりありません。
借入時までの金利上昇の可能性が気になる方は住宅ローンの「変動金利」もご検討ください。
さてそのように金利が動き始めた中で、住宅ローンの貸し出し状況がどうなっていくか興味が湧くわけですが、そうした「住宅ローン人気」をタイムリーに知ることができるデータが、住宅金融支援機構が3ヶ月に1回発表する「業態別の住宅ローン新規貸出額」調査です。その最新版=2018年7月〜9月期の結果が発表されていますので早速チェックしてみるとこうなっています。
上記の通り7月〜9月というのはちょうど長期金利も住宅ローン金利も上昇傾向にあったわけですから当然かもしれませんが、全体としてはこのようになっています。
・2018年7月〜9月期住宅ローン新規貸出額:5兆1,723億円(前年同期比−3.8%)
前年同期比では約−4%のマイナスということですね・・・。
また4月〜9月期の上半期ではこのようになっています。
・2018年4月〜9月期=上半期住宅ローン新規貸出額:9兆9,367億円(前年同期比−4.0%)
こちらも−4%ですね。
ちなみに貸出額1,000億円以上の主要業態では上半期の結果はこういうことになります。
・国内銀行 : −3.7%
・信用金庫 : −12.3%
・労働金庫 : +11.8%
・住宅金融支援機構 : −12.4%
いつものようになぜか労働金庫が増加していますが、それ以外はやはり全体的に苦戦していますね。特に信用金庫やフラット35(住宅金融支援機構)は1割超の減少ですから「大苦戦」と言えそうです。
ではこれまでの新規貸出額の推移をチェックしてみるとこうなります。
ただこのように時系列で並べてみると今回の2018年7月〜9月期がものすごく悪かったという感じではないですね。確かに前年より減少していますが、2014年や2015年の同期実績と比べるとそれらを上回っていることが分かります。要するに2016年1月に発表されたマイナス金利政策の影響が大きかったということなのでしょうね。
その点では前回と結論は変わりませんが、今回の住宅ローンの新規貸し出しの全体的な水準もまた、「苦戦」というより「巡航速度」に戻ってきたと言えそうです。
では次にフラット35の貸出額と長期金利の推移をチェックしてみるとこうなります。
こちらも2014年や2015年の同期と比べれば遜色ありませんが、ただ前年と比較すると苦戦ぶりが目立ちます。これは上記の通り、期間中に長期金利もフラット35金利も上昇傾向にあったことに加え、2017年10月から金利表記が「団信料込み」となり、見た目の金利が上昇したことも影響しているのかもしれませんね。
ただそうは言いつつ足元の長期金利は大きく低下し、マイナス水準に達しています。今回の「マイナス金利」がいつまで続くかは分かりませんが、フラット35の人気が回復するのかどうか注目したいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>