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当サイトではこれまで何度も「賃貸」と「住宅ローンを組んでの購入(持ち家)」とでどちらがお得かを論じてきました。
>>>賃貸と持ち家(購入)。どっちがお得?(2010年)
>>>住宅購入と賃貸、どっちが得?(2013年)
>>>賃貸・戸建て・マンション 生涯の住宅コストは天と地の差って本当?(2015年)
>>>持ち家と賃貸、どちらが得かついに決着!?(2015年)
>>>住宅ローンで持ち家と、ずっと賃貸。マンションならどっちがお得?(2017年)
>>>住宅ローンを組んで持ち家購入と、賃貸。どっちがお得?(2018年)
飽きもせず取り上げていますね・・・。
それはともかくとして、どの記事も結論は同じで
・賃貸も住宅ローンを組んでの購入(持ち家)も、どちらもトータルコストに大きな差はないので、マイホーム選びは「経済合理性」ではなく、「死ぬまで住みたいと思える物件に出会えるかどうか」で決めるべき
としております。
そうした中、ネットでこちらの記事を見かけました。住宅ローンの元本返済部分は「費用」ではないことや、40年後の売却価格をもとにトータルコストを算出しており、とても良心的ですので試算を引用させていただくとこうなります。
分かりやすいですね。5,000万円の物件を購入して、40年後の価値が
・1,000万円ならトータルコスト=7,111万円
・2,000万円ならトータルコスト=6,141万円
・3,000万円ならトータルコスト=5,171万円
・4,000万円ならトータルコスト=4,201万円
ということです。住宅ローン金利が1%というのは低すぎる気もしなくはないでですし、修繕積立金も現実的にはもう少し高そうですが、誤差は数百万円のレベルかと思います。
それに対する「賃貸」のトータルコストはこうなっています。
10年に1回引っ越すという前提での計算ですね。最も大きい持ち家コストである7,111万円と比較して、
・家賃14万円以上なら持ち家がお得、家賃13万円以下なら賃貸がお得
としています。今の賃貸利回りは4%台かと思いますので、仮に「4.5%」とすると5,000万円×4.5%÷12=約19万円となり、同等の住宅に住むには約19万円の賃料が想定されることから確かに「持ち家の方がお得」のように感じます。
でも本当にそうなのでしょうか?
この試算はとてもいい線まで行っているのですが(上から目線でスミマセン)、残念ながら根本的な誤りが1つあります。それは、「同等の住宅に住み続ける限り家賃は下がり続ける」ということですね。
上記の通り賃貸利回りが4.5%とすると、40年後の資産価値が1,000万円の物件であれば、理論的にはその賃料は、1,000万円×4.5%÷12=約4万円に下がっているわけですね!
逆にずっと同じ賃料を払い続けているということは「10年に一度新築物件に借り換えている」ということですから、同列で比較するのはフェアではありません。
というわけで、5,000万円の物件が40年後に1,000万円になるとして、その賃料も当初約19万円だったののが最終的に約4万円まで下がるとすれば賃貸のトータルコストはこうなります。
5,813万円ということですね!
言い換えれば「40年後の価値が3,000万円未満なら賃貸の方がお得」ということですから、今度は圧倒的に賃貸が有利ということになりそうです。
でも本当にそうなのでしょうか?
実は持ち家が最もおいしくなるのは、住宅ローンを払い終えた40年目以降なのですね。そうは言いつつ耐用年数を考えれば50年以上住むのは難しいと思いますが、この試算を50年まで伸ばせば、いつものように「賃貸と持ち家(購入)とでは、トータルコストに大きな差はない」という結論に達すると思います。
そうしたわけで繰り返しになりますが、マイホーム購入は「経済合理性」ではなく、「死ぬまで住みたいと思える物件に出会えるかどうか」で判断していただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>