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最近はどのコラムも同じ書き出しになっているような気もしますが、秋に消費税増税が迫る中で、徐々に「駆け込み需要」が起きてもおかしくないタイミングとなっています。
実際には住宅ローン減税やすまい給付金の拡大などによって「増税後に住宅を購入した方がお得」と言える状況ですが、難解な増税対策を全て理解している方は少ないと思いますので、やはりある程度の駆け込み需要は起こるのではないでしょうか?
それを占う上でも先日発表された、ノムコムの会員を対象とした「住宅購入に関する意識調査(第16回)」の結果をチェックしてみたいと思います。調査時期も2019年1月11日〜1月20日ということですので最新です。
まず不動産の「買い時感」についてはこのようになっています。
「買い時だと思う」という回答は37.9%ということですが、トレンドとしては2016年7月をピークに明らかに低下していますね!それと対照的に増えているのは「買い時だと思わない」で42.3%となっており、前回に引き続き今回も「買い時だと思う」を上回っています。
前回の増税時である2014年4月前の調査結果はこのグラフに含まれていませんが、2017年4月の増税の延期を発表したのが2016年6月であり、その直後の2016年7月の買い時感が上記の通りピークだったことを踏まえれば、今回の「買い時感」の低さは異例と言えるかもしれません。
ではなぜ買い時と思わないのか、その理由をチェックしてみるとこうなっています。
抜き出すとこういうことですね。
・不動産価格が高くなった : 66.2%
・今後、不動産価格は下がると思われる : 58.6%
・景気の先行きが不透明 : 33.3%
複数回答可なので100%を超えていますが、要するに「今の不動産価格は高い上に、これから下がると思うから」買い時とは思わないということですね。
いくら不動産価格が高くても、これからまだ上がると思えば判断は分かれてくるかと思いますが、「これから下がる」と思えば確かに今買う理由は無くなってきますね。
直接的に不動産価格の見通しを聞いた質問の結果を見てもその傾向は明らかです。
抜き出すとこうですね。
・上がる : 19.2%
・横ばい : 30.6%
・下がる : 38.6%
下がると回答している方が最も多いわけですが、トレンドを見ても増え続けていることが分かります。一方、上がると回答している方は2割で、2015年7月の調査時の4割から半減していますね!
とは言いつつ、実際のところ不動産価格が下落しているということはないとは思いますが、「もはや下がるしかないほど上昇した」と感じているということですかね・・・。
念のため国土交通省が年末に発表した住宅価格指数をチェックしてみても、価格が下落している様子はうかがえません。
あえて言えば直近調査でマンション価格が少し下がっているものの、全体のトレンドとしては急激な上昇傾向を維持しています。こうしたデータを見る限りにおいては住宅価格が今後下落すると予測するのは困難ですが、アンケート回答者の「予感」は正しいのでしょうか?気になるところですね。
そうしたわけで、これまで「買い時ではない」という視点から分析してみましたが、ただ誤解のないようにしていただきたいのは、それとあまり変わらない人数の方が「買い時だ」と回答している点ですね。買い時だと思う理由はこのようになっています。
抜き出すとこうなります。
・住宅ローンの金利が低水準 : 67.8%
・消費税が増税予定 : 56.0%
・今後、住宅ローン金利が上がる : 25.9%
・自分の購入タイミングである : 20.2%
「買い時だ」と思う理由として、「消費税が増税予定」と回答している方が6割いるということですね!半年前の前回調査よりも増えています。
全体のトレンドはともかくとして、このように増税を気にされている方が一定割合いる限り、規模はともかくとしてやはり駆け込み需要は起こるのでしょうね・・・。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>