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ここ数年、マンションブームが起きていますね。低金利の住宅ローンに加え、震災後の人手不足や爆買い、都心回帰の動きによってマンション価格が上昇を続けていることも、消費者の「焦り」を生んでいる面がありそうです。
いつもご案内しているように国土交通省が発表している住宅価格指数はこのように推移しています。
マンション価格の上昇は「異常」とも感じますね・・・。
さてそんなマンションブームの背景が分かりそうな調査を、新築マンションサイトである「MAJOR7」が実施していますね。全国のマンション購入意向者約77万人を対象にしているとのことで最大規模の調査となります!
では早速その調査結果を見ていくと、まず「現在マンション購入を検討している理由」としてはこうなっています。
1位:資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから 21.3%
2位:もっと広い住まいに住みたいから 18.1%
3位:もっと交通の便の良いところに住みたいから 17.9%
4位:老後の安心のため、住まいを持ちたいと思うから 16.6%
5位:通勤に便利な場所に住みたいから 16.3%
6位:都心に住みたいから 15.8%
7位:賃貸より持ち家の方が、金銭的に得だと思うから 13.8%
8位:現在は金利が低く、買い時だと思うから 13.5%
9位:家の設備が古くなってきたから 13.4%
10位:魅力的な物件や物件広告を見たから 12.0%
11位:免震構造のような耐震性の高いところに住みたいから 11.5%
12位:今の家が古いから 11.3%
13位:持ち家の方が住まいの質が良いと思うから 10.9%
14位:子どもや家族のため、家を持ちたいと思うから 10.3%
15位:子どもの教育環境が良い場所に住みたいから 8.2%
16位:持ち家の方が自由に使えて気兼ねがないから 8.1%
17位:人気の街に住みたいから 7.9%
18位:セカンドハウスが欲しいから 7.8%
19位:防犯上、安全な地域に住みたいから 7.6%
20位:子どもが独立し、夫婦二人が住むのに適したところに住みたいから 7.2%
多岐に渡る上に幅広く分散しているのが印象的ですが、この結果だけを見ると普遍的なニーズが多く、「マンションブーム」を想起するものはほとんどないですね。あえて言えば
8位:現在は金利が低く、買い時だと思うから 13.5%
だけです・・・。
なお現在が低金利なのは間違いありませんが、この低金利はこれからもずっと続く可能性が高く、本当に「買い時」かどうかは微妙なところです。
また、いつもご案内しているように「持ち家と賃貸とでトータルコストに大きな差はない」という点から見てみるとこれらの購入理由は「正しくない」と言うことになります。
1位:資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから 21.3%
4位:老後の安心のため、住まいを持ちたいと思うから 16.6%
7位:賃貸より持ち家の方が、金銭的に得だと思うから 13.8%
特に1位の購入理由が「正しくない」というのは、記者個人としては複雑な心境になります。どんな理由であれ、結果的に満足できるのであればそれでいいのかもしれませんが。
また4位の「老後の安心のため」というのも、経済的な価値ではなく心理的な安心感を求めているのであればあながち間違いではないのかもしれませんが・・・。
では次に「今、マンションを購入すべきタイミングだと感じている理由」としてはこうなっています。
1位:現在の住宅ローン金利は低水準だから 60.7%
2位:2019年10月に消費税が10%に増税予定のため 42.4%
3位:住宅ローン控除など購入支援制度があるため 22.3%
4位:今後は住宅ローン金利が上がりそうだから 21.6%
5位:今後マンション価格は上がると思うため 21.5%
6位:欲しいと思う物件があるため 15.4%
7位:結婚などライフプランにおいて今購入すべきタイミングのため 12.0%
8位:当分マンション価格は変わらないと思うため 9.4%
9位:雇用不安を感じていないため 4.9%
10位:今後景況感が好転していくと思うため 3.7%
こちらは票がかなり集中した上に「マンションブーム」を想起させるものが並んでいて興味深いですね!
特に圧倒的なのは
1位:現在の住宅ローン金利は低水準だから 60.7%
と
2位:2019年10月に消費税が10%に増税予定のため 42.4%
となっており、共感される方は多いと思います。
ただ前者については上記の通り、確かに今は低金利ではあるものの、少子高齢化が進む日本においてなかなかインフレ率が上昇しないとすると金利も上昇しないことになり、これからもずーっと低金利が続く可能性があります。
とすると「今、購入すべき」理由としては微妙ですね。
その点では
4位:今後は住宅ローン金利が上がりそうだから 21.6%
もあまり説得力はありません。
また後者の「消費税が増税予定のため」という回答についても、2019年10月以降、逆に住宅ローン減税やすまい給付金が大幅に拡充されることを考えれば、「増税後にマンションを購入しても不利でないばかりかお得になる可能性も高い」ということで、やはり正しい認識とは言えなさそうですね。
その点では
3位:住宅ローン控除など購入支援制度があるため 22.3%
も同じです。
そうしたわけで、「現在マンション購入を検討している理由」についても「今、マンションを購入すべきタイミングだと感じている理由」 についても消費者の思い込みによる回答が目立ちます。
経済合理性の観点から言えば「必ずしも今、購入しなくてもいい」ということになりますし、上記マンション価格の上昇を踏まえればむしろ「今は購入しない方がいい」と考える方も少なくなさそうです。
言い換えれば「それでも購入したい」という方が購入するのがいいですね!結局どんな買い物も「購入後の満足度」によって評価されるべきで、正しい知識のもと納得して購入して、「購入して良かった」と思えるならそれ以上のことはありません。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>