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住宅ローン金利タイプのシェアに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。ざっとチェックしていくと、まず1つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「2017年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。
2015年度から2016年度にかけて一旦変動金利型のシェアが下がった一方で、2017年度は再び上昇し、変動金利型のシェアは約6割となっています。
2つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
最新のデータは「2018年度」となっていますが、実際には2017年3月期に関する調査結果です。こちらも2015年度から2016年度にかけて変動金利型のシェアが下がった一方で、2017年度は再び約6割に戻っています。
3つ目は住宅金融支援機構が「民間住宅ローンの貸出動向調査」でこのようになっています。
こちらも、2016年度に一旦シェアが下がった変動金利型が、2017年度には再び6割超えですね。そうしたわけでこれらの調査が共通して示しているのは変動金利型の人気の復調です。
4つ目は国土交通省の「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査」でこのようになっています。
こちらは変動金利型のシェアは意外と5割にとどまっています。なぜこのような違いが生まれるのでしょうね?
真相はよく分かりませんが、とは言いつつこの国土交通省の調査結果も含めて全ての調査が共通して示しているのは、金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは「変動金利型」であり、その次は「固定金利期間選択型」である、ということですね。
では前置きが長くなりましたが、本題の同じく国土交通省による「平成30年度住宅市場動向調査」の中身をチェックしていきたいと思います。こちらは
・2017年4月〜2018年3月に住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯
に対するアンケート調査で、回答者数は3,944名とかなり大規模なものですね。気になる住宅ローンの金利タイプはと言うとこうなっています。
こちらは変動金利型のシェアが過去8年間ほぼ変化なく、ずっと6割前後を維持しているという結果ですね!これまた前4つの調査結果とは微妙に異なり、調査結果にもしかすると何かの問題を抱えているような気もしなくはないですが、ただそれでも
・金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは変動金利型
・その次は固定金利期間選択型
という結論自体は変わりません。
また、住宅タイプによってもさほど大きな変化はなく、変動金利型の人気がうかがえます。金利水準が一番低いわけですし、金利上昇リスクも後退しているとなれば当然かもしれませんが・・・。
さてこの調査から住宅ローンに関わる回答についてもう少し見てみると、住宅ローンの年間返済額と返済負担率はこのようになっています。
年間返済額は概ね120万円程度、返済負担率は概ね16%ということですね。返済負担率の上限は20%〜25%と言われていますので、この水準は健全だと言えそうです。
住宅タイプ別の具体的な数字を抜き出してみるとこうですね。
・注文住宅 : 年間返済額117万円/返済負担率16%
・戸建住宅 : 年間返済額117万円/返済負担率18%
・マンション : 年間返済額131万円/返済負担率16%
・中古戸建 : 年間返済額115万円/返済負担率16%
・中古マンション : 年間返済額104万円/返済負担率14%
マンションの返済額が多いですが、返済負担率は高いわけではなく、相対的に高所得層がマンションを購入している様子がうかがえます。最近の価格上昇を受けて「新築マンションは高嶺の花」ということなんですかね・・・。
次に住宅ローンの返済期間はこうなっています。
大体30年前後ということですね。こちらも抜き出すとこうなります。
・注文住宅 : 建築32年/土地34年
・戸建住宅 : 33年
・マンション : 34年
・中古戸建 : 27年
・中古マンション : 29年
ほとんど変わりはありませんが、あえて言えば微妙な年数の差はそのまま「購入価格の差」ということになりそうです。新築マンションが最も高く、中古戸建てが最も安いというのは概ねその通りかと思います。
ただこの数字で気を付けないといけないのは、これはあくまで「借入時の返済期間」である、という点ですね。
現実には積極的な繰り上げ返済によって、この返済期間はどんどん短くなっていくのが通例です。住宅金融支援機構の調査では、実際の「完済期間」は「15年前後」ということになっています。
2017年度は「15.2年」となっています。つまり多くの方が当初の返済期間の半分の期間で住宅ローンを返し終わっているということですね!
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>