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気が付けば長期金利が大きく低下してますね!本日は−0.125%という水準です。
去年の秋から右肩下がりで低下しているわけですね。
その理由としてはやはり、アメリカの長期金利が同じように低下しているのが大きいですね。アメリカの長期金利はこのように推移しています。
金利の目盛りは違えど、ほぼシンクロした動きですね。ではなぜこのようにアメリカの金利が低下しているかと言うと、以下のような3段階の動きが背景にあると思います。
1.世界的な景気後退を懸念しての株価下落
↓
2.アメリカの中央銀行であるFRBが「年内の利上げ停止」を発表
↓
3.FRBのパウエル議長が利下げの可能性を示唆
これまでの「利上げ」から「利下げ」へと180度転換するとなれば金利が低下するのは当然ですね。
そうした影響もあり、日本の長期金利はほぼ3年ぶりのマイナス水準になっていることが分かります。
気になるのはここから日本の長期金利はどこまで下がるのか?そして住宅ローン金利はどこまで下がるのか?という点ですね。
まず分かりやすいのは前者の「長期金利はどこまで下がるのか?」という点です。
勿体ぶらずに答えを言えば「−0.2%」ということです。なぜかと言えば現状の日銀のイールドカーブコントロールにおける長期金利の誘導レンジが「−0.2%〜+0.2%」の幅だからですね。
今までイールドカーブコントロールの下限に到達したことはありませんが、理論上は利回りが−0.2%となるような価格設定の国債を大量に売り出すことで金利がそれ以上下がらないようにすることは可能です。
各国が利下げに乗り出し、世界中の金利がさらに下がるようであれば、日銀もこの誘導レンジ幅を「−0.3%〜+0.3%」や「−0.4%〜+0.4%」に拡大することで、実質的な「利下げ」を図る可能性はありますが、日銀の本音とすればこれ以上金利を下げたくないというのはあるでしょうから、仮にそうした「利下げ」があったとしても現状の金利水準から「大きく」下がることはなさそうです。
では次に後者の「住宅ローン金利はどこまで下がるのか?」という点はいかがでしょうか。
単純に言えば6月の住宅ローン金利が決まったであろう5月下旬の長期金利が−0.07%程度でしたので、仮に−0.2%まで下がるとすればあと「−0.13%」低下する余地があるということになります。
メガバンクの6月の住宅ローン金利レンジから推測すればこういうことですね(いずれも保証料を考慮しない表面金利)。
・変動金利 : 0.429%〜0.725% → 0.429%〜0.725%
・10年固定 : 0.650%〜1.100% → 0.520%〜0.970%
・20年固定 : 1.000%〜2.750% → 0.830%〜2.620%
・30年固定 : 1.230%〜1.680% → 1.100%〜1.550%
見た目としてはお得感がありますね!ちなみに変動金利は長期金利ではなく短期金利に連動しますので金利は変わらずとしています。
ただ一方で住宅ローン業務には当然一定のコストがかかっているわけで、長期金利が下がったからと言っていくらでも住宅ローン金利が下げられるわけではありません。
ということで過去、長期金利が−0.2%以下に下がった2016年7月前後の住宅ローン金利から、実際の金利水準を探ってみるとこうなります(いずれもメガバンクの表面金利)。
・変動金利 : 0.569%〜1.075%
・10年固定 : 0.350%〜1.100%
・20年固定 : 1.280%〜2.450%
・30年固定 : 0.930%〜1.360%
現状の金利水準と比較すれば変動金利や20年固定金利については金利低下余地がない一方で、10年固定金利と30年固定金利についてはまだまだ金利低下余地があるということですね。
この2つの金利レンジを単純に合成しても分かりにくいですので、最低金利だけを合成すると、今後の住宅ローン金利の下限としてはこうなりそうです。
・変動金利 : 0.429% → 0.429%
・10年固定 : 0.650% → 0.350%
・20年固定 : 1.000% → 0.830%
・30年固定 : 1.230% → 0.930%
特に10年固定金利と30年固定金利については過去に実績があるだけに実現する可能性は相対的に高いと言えそうです。
仮に10年固定金利が変動金利を下回ってくるとすると、どちらを選ぶべきか迷う住宅ローンユーザーが増えそうですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>