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個人的に気になっているのがフラット35の不正利用問題です。
本来、フラット35は自己居住用の物件にしか利用できないのですが、利用者が不動産業者とツルんで、「自己居住用」とウソをついて投資用物件を購入していた、という問題ですね。
とりあえず発覚したのは不動産業者の1社で、先日の住宅金融支援機構の発表によれば「調査対象113件のうち面談した105件について不正利用の事実があることを確認した」とのことです。
加えて別の不動産会社でも不正利用の恐れがあるのが49件あり、合わせると最大で162件ということになります。
割と多いなと思われる方もいるかもしれませんが、記者の印象は真逆で「少なくともその百倍はあるだろうな」というものです。実際のところ朝日新聞の報道によれば
・少なくとも10社超の業者が不正に関与
ということですから、1社あたり100件でも1,000件を超えてきますし、当然、これは氷山の一角でしょうからその10倍あっても全然おかしくありません。そうすると今後、どんどん不正利用が発覚することになります。
であるとするなら未だに「最大で162件」と主張する住宅金融支援機構の発表は如何にもミスリーディングですね。
正直、記者には住宅金融支援機構が「このまま問題を沈静化させたい」と思っているように映ります。問題が大きくなればなるほど、機構側の責任も問われることになりますし、すでに発覚した不正分だけでも2,100万円の補助金が使われていたことから、世論の関心が高まれば機構としてはかなり分が悪いですね。
そもそもこれだけ民間が住宅ローンの貸出競争を繰り広げている中で、住宅金融支援機構の必要性というのは今一つハッキリしません。そうした必要性がハッキリしないものに多額の税金がつぎ込まれている点がクローズアップされれば、「住宅金融支援機構不要論」にさえ発展する可能性があります。
実際、必ずしも必要でないということは「不要」ということですからね・・・。機構の思惑通り沈静化できるのかどうか興味深く見守りたいと思います。
ちなみに。
では記者が今回の不正利用問題についてどう思っているかと言えば、徹底解明や徹底糾弾を求めるのではなく、むしろ
・ちゃんと返済できているのであれば大目に見てあげてもいいのでは?
というものだったりします。
もちろんウソをついて融資を引き出したことは宜しくありませんが、しかし本質的に最も大事な点は
・融資をちゃんと返せるかどうか
という点ですね。ちゃんと返済できるのであれば、機構も利用者も国民も誰も損しません。むしろみんなが得することになります。
逆に厳格に運用して「即時返済」を求めれば、まず利用者が返済に窮し、機構側も回収できず、最終的にその損失は国民負担となってしまいます。住宅金融支援機構は行政法人ですからね。
また投資目的の購入はいけないと言いつつも、例えば転勤が決まった時などに自宅を賃貸に出すことはよくあることですね。つまりは「自己居住用の物件」と「投資用物件」との境目は実はそれほどハッキリとはしていないということです。
であるならなおさら大目に見てあげてもいいのではないか、という気がします。
ただし。
これらはあくまで「ちゃんと返済出来ている場合」の話です。
実態としては「強引な販売&甘い見通し」ということなのでしょうから、通常の住宅ローンに比べるとかなり負担が大きいのは間違いないと思います。その点では機構として今後しっかり改善しなければいけないのは言うまでもありません。
加えて今回、何とかバレなかった不正利用者の方々は猛省して頂いて、機構や国民に迷惑をかけることのないよう、しっかり返済を続けていってほしいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>