※当サイトには広告リンクが含まれています。
ここ3ヶ月、ハッキリわかるくらい長期金利が回復していますね。過去1年の長期金利のグラフをチェックするとこうなっています。
−0.28%から−0.04%へ実に0.2%以上金利が上昇していることになります。まだマイナス水準ではあるものの気になる動きですね。
ではなぜこのように金利が上昇しているかと言うと、最もよく聞かれるのが「米中の貿易協議が妥結し、アメリカの対中関税が段階的に縮小される」という見通しが広がっているため、というものですね。
確かに中国経済のスローダウンが懸念されていますので、その大きな要因かもしれない対中関税が縮小されれば
・中国経済の回復 → 世界的な好景気継続 → 株価上昇 → 金利上昇
という流れで金利が回復していくという読みは自然ですね。
また今すぐではないにしても、来年秋の大統領選挙までに米中貿易協議が妥結するのは間違いないと思います。「中国に勝った」という結果はトランプ大統領に大きな追い風になるでしょうからね。
とすると市場金利もまた来年秋にかけて徐々に上昇していくということでしょうか?
記者はその可能性は高いのではないかと思っています。
では仮に市場金利が上昇していくとして具体的にいくらくらいまで上昇するのでしょうか?
その答えは実は簡単で、長期金利で言うと「0.2%」までですね。なぜかと言うと日銀が実施しているイールドカーブコントロールによって長期金利の上限は今のところ0.2%に設定されているからです。
仮に長期金利がこの0.2%を超えてくれば日銀が0.2%で国債を購入することで容易に金利をコントロールすることが可能です。要するに0.2%という上限はかなり実効性があるものだと言うことです。
具体的に長期金利のグラフに0.2%を足してやるとこうなります。
0.2%まで上昇したとしてもそこまで金利が高くなるわけではないということですね。足元の金利水準からすれば「0.25%程度の金利上昇」になります。とすると今月の住宅ローン金利をベースにすると例えばこのような金利のイメージです。
・10年固定 : 0.70% → 0.95%
・20年固定 : 1.00% → 1.25%
・30年固定 : 1.20% → 1.40%
金利上昇自体は残念ですが、そこまで大きく金利が上昇するわけではないということが分かります。
とは言いつつこのように住宅ローン金利が上昇する可能性があることを踏まえ、気になる方は早めに借り入れ・借り換えの検討を進めていただければと思います。
なおこの中に変動金利を加えていないのは、変動金利については長期金利ではなく短期金利に連動しており、短期金利は引き続き現状の「−0.1%」という誘導目標が維持されると目されるからです。
要するに
・住宅ローンの変動金利は当面上昇することはない
ということですから、変動金利を利用中の方やこれから利用したいという方はご安心ください。
専門家の見通しであるESPフォーキャスト調査の11月の結果をチェックすると、この短期金利の誘導目標の見通しはこのようになっています。
短期金利の誘導目標は現状の「−0.1%」 から若干下がると予想する方が数人いて、逆に上昇するという予想は皆無ですね。
その点でもやはり住宅ローンの変動金利については金利上昇を心配する必要はなさそうです。
そうしたわけで当サイトとしては今後、長期金利および住宅ローン固定金利が来年秋にかけてジワジワ上昇していく相場観を持っているわけですが、逆に金利が上昇しないケースはどういう場合が考えられるでしょうか?例えばこういったシナリオです。
・米中貿易戦争が収束するどころかますます深刻化する。
・米中貿易戦争が収束しても中国経済の悪化が続く。
・トランプ大統領が選挙で負ける。
・FRBが利下げを続ける。
今のところどれもメインシナリオではありませんが、頭の片隅に入れておいていただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>