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先日のコラムでもご案内したように、住宅ローンの金利タイプのシェア=ランキングに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。
>>>住宅ローン金利タイプランキング、当サイトお勧めタイプは何位?FRK2019年調査
再掲するとこういう感じですね。
まず1つ目は国土交通省が金融機関にヒアリングした調査結果で、このようになっています。
ただこれは2017年度=2018年3月期の調査結果となりますので少し古いですね。
2つ目は国土交通省が住宅購入者に対してアンケート調査を行ったもので、このようになっています。
3つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会の「2018年度戸建注文住宅の顧客実態調査」ですね。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、このようになっています。
4つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
こちらは「2019年度」となっていますが、実際には2019年3月期に関する調査結果です。
いずれにしても特に後者2つの調査結果から推測されるのことは
・2016年から2018年の3年間で変動金利タイプの人気が大きく伸びている
という点です。これは長期金利の動きを振り返れば当然かもしれません。
2016年には下がったり上がったりと忙しかった長期金利ですが、2017年以降は上昇することなく安定して推移しています。これは日銀のイールドカーブコントロールによって金利が直接コントロールされているからですね。
現時点での長期金利の誘導目標は0%であることから、こうした金融政策が続けられる限り、金利上昇リスクはほぼなくなったと言えます。
金利上昇リスクがほぼなくなったのであれば変動金利タイプの人気が伸びるのは当然ですね。なぜなら変動金利タイプの最大の問題点が金利上昇リスクだからです。リスクがないのに金利が一番低いとなればみんなが選ぶのは理解できます。
ただ一方で。
1つ目の国土交通省の調査を除けばいずれも「消費者へのアンケート調査」であり、その信ぴょう性にはやや疑念が残ります。正直に回答している保証はありませんし、そもそも本当に回答してほしい人に回答してもらっているかどうかも分かりません。
より正確な情報を把握するためには「消費者アンケート」ではなく、実際に住宅ローンを貸し出している「金融機関へのアンケート」の最新の調査結果が待たれるわけですが、住宅金融支援機構が「民間住宅ローンの貸出動向調査」の2019年度版を発表しましたのでご紹介したいと思います。
「金利タイプ別の住宅ローン貸出実績」はこのようになっています。
こちらを見てもやはり2016年から2018年にかけての変動金利タイプの人気回復は顕著ですね!過去4年の変動金利のシェアはこうなっています。
・2016年3月期:61.8%
・2017年3月期:49.9%
・2018年3月期:63.9%
・2019年3月期:70.4%
見事にV字回復し、2018年度=2019年3月期の変動金利タイプのシェアは過去4年で最高になっています。7割ですからね!
そしてもう一度長期金利のグラフをチェックしていただければ分かるように、2019年は長期金利は大きく下がった後で後半は上昇したものの、全体的には低金利で推移しており、こうした「変動金利人気」は今でも続いていると考えて間違いなさそうです。
実際、住宅金融支援機構の「消費者へのアンケート調査」の最新結果はこのようになっています。
「2018年10月〜2019年3月」の調査でも変動金利タイプのシェアは60.3%ということで掲載期間を通じて最大のシェアになっています。
この調査は上記の通り消費者への調査であるほか、過去は「全期間固定タイプのシェアが1位」という、フラット35を販売している住宅金融支援機構にとって都合のいいデタラメな結果となっていましたので記者自身はまだ完全に不信感を払しょくできていないものの、それでも最近の調査結果は他の調査と比べても不自然な点はなく参考にしても良さそうです。
このように住宅ローンの金利タイプの中では変動金利タイプの人気が顕著ですが、今後、住宅ローンの固定金利タイプの人気が再燃する展開もあるのでしょうか?金利次第だとは思いますが、注目したいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>