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ここ数週間で株価が大暴落していますね。その理由はもちろん新型コロナウイルスです。日経平均株価はこのように推移しています。
過去5年間の上昇を一瞬で吐き出したわけですね・・・。
しかし不思議なのは1月は中国で騒動になり、2月は日本や韓国で騒動になったにも関わらず傍観していた株式市場が、ここにきていきなり慌て始めたことですね。
やはり株式市場の「本丸」は欧米であって、そこで急速に広まっていることがパニックを生んでいるのかもしれません・・・日本人からするとちょっと温度差を感じないではありませんが。
さてそのように株価が下落すれば一緒に下落するのが金利ですね。では日本の長期金利を同じ期間で見てみるとこうなっています。
2016年秋から始まったイールドカーブコントロールによって金利上昇が抑えられていることから歪になってはいますが、しかし全体で見れば「株価が上昇するときは金利も上昇し、株価が下落すれば金利も下落する」という相関がみて取れます。
ただ足元の株価下落局面で金利が下がっているかと言うと・・・意外に金利が上昇していることが分かります。本日の長期金利も「+0.005%」とプラス水準まで上昇しています。
このように金利が上昇することには違和感を感じます。というのも、通常、「危機」のタイミングでは投資家は株式などのリスクの高い商品を売って、その代金を国債などの安全性の高い商品に避難させると考えられるからです。
ではなぜ長期金利が上昇しているのでしょうか?正解は分かりませんが考えられる仮説の1つは、「投資の損失の穴埋めのために国債を売却して換金している」というもの。国債を売却すれば値段が下がり、金利が上がります。
もう1つは「日本の株式だけでなく、日本の国債も売却する、日本離れが起きている」というもの。これもあり得ると言えばあり得そうです。
最後の1つは「3月末の期末に向けて国債を売却する期末特有の売買が行われている」というもの。んーこれは過去5年、3月末に向けて常に金利が上昇しているわけではなさそうなので、説得力はなさそうです。
いずれにしても「コロナショックの影響で国債売りが起きている」ということなのでしょうね。
とすると住宅ローン利用者からすれば今後の金利上昇リスクも気になりますが、ただこうした売りは「国債」ならではのもので、金利市場=スワップレートだけを見てみると風景が異なってきます。東京円金利スワップレートの10年金利のグラフを見るとこうなっています。
こちらは実は過去最低水準を維持しているわけですね。
このスワップレートがほぼそのまま銀行の調達金利なのだとすれば住宅ローン金利はこちらの金利に連動することになります。
とすると当面、住宅ローン金利は低位安定することが期待できそうです。
今後、本格的な金融危機が訪れ、リーマンショック時のように「銀行に資金がない」状態になれば住宅ローン金利を引き上げる動きが広がるかもしれませんが、今のところそれはなさそうですし、世界の中央銀行が次々と利下げを決めている中で、日本だけ金利が上昇するというのはやはり考えにくいです。
その点でも住宅ローン金利の上昇を心配する必要はなさそうです。
読者のみなさんはそれ以外の心配事で頭がいっぱいかもしれませんが・・・。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>