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何度もご案内しているように住宅価格の上昇傾向が続いていますね。国土交通省の最新の不動産価格指数はこうなっています。
赤の線が総合指数で5年以上右肩上がりで上昇していることが分かりますが、その理由はもちろん緑の線で示されたマンション価格の上昇に伴うものですね。マンション価格は従来100だったものが現在は約150ですから、1.5倍になっていることが分かります!
逆に黄色で示された住宅地や青で示された戸建て住宅はこの5年で全く上昇していないことが分かります。その点では宅地や戸建ての方が「お買い得」ということになりそうです。もちろん個別には「割安なマンション」や「割高な戸建て」もあるのでしょうけれど。
この「マンションバブル」がいつ破裂するのか気になっていたのですが、やはり今般のコロナ禍で下がるのでしょうね。個人的には多少下がった方がいいのかなと思います。
ただ株価が堅調に推移していることを勘案すれば、マンション価格が 「もとの100に戻っていく」ということはなさそうです。
そうした今後のマンション価格の動向を占う意味でも有用なのが、本題の国土交通省の「地価LOOKレポート」です。あくまで地価のデータではありますが、不動産価格は「建物価格+地価」に分解できますので、地価動向≒不動産価格動向と解釈できます。
またこの地価LOOKレポートの正式名称は「主要都市の高度利用地地価動向報告」ですが、マンションは概ねこの「高度利用地」に建てられるのだとすれば相関性も高そうですね。
加えて毎回ご案内しているように、この調査では対象地区が
・東京圏43地区
・大阪圏25地区
・名古屋圏9地区
・地方中心都市等23地区
と全国にバランスよく配分されているのが特徴です。そのため3大都市圏のみならず全国の動向が把握できることに加え、「1年に1回」が多い他の主要な地価調査と違って3ヶ月に1回調査されており、発表も早く、地価をタイムリーに把握できる点も魅力ですね!
では早速、その最新版=2020年第1四半期=2020年1月〜2020年4月のデータをチェックしたいと思います。値上がり・値下がりの分布を1年前、9ヶ月前、6ヶ月前、3ヶ月前の調査と比較するとこのようになっています。
・上昇地区 : 97 → 97 → 97 → 97 → 73
・横ばい : 3 → 3 → 3 → 3 → 23
・下落地区 : 0 → 0 → 0 → 0 → 0 → 4
過去1年間、上昇地区が97ヶ所で変化がなかったわけですが、今回は様相が大きく変わり、上昇地区は73に減少し、逆に横ばい地区が23、そしてついに下落地区が3となっています。
コロナの影響がはっきり出ていますね・・・。発表されているグラフを見るとこのようになっています。
やはりこれまでと明らかに状況が変わっていますね。今回は4月1日時点の調査となっているので、今ではさらに悪化している可能性も十分あります。
ここで「下落地区」の具体的な地名をチェックするとこうなっています。
・横浜市/元町
・岐阜市/岐阜駅北口
・高松市/丸亀町周辺
・福岡市/大濠
今回の結果だけでははっきりしたことは言えませんが、「地方から下落が始まる」可能性はありそうです。
そうした中、逆にまだ「地価が1年で3%以上上昇している地点」をチェックするとこうです。
・仙台市/錦町
・大阪市/西梅田
・大阪市/茶屋町
・大阪市/新大阪
意外と大阪ががんばっているわけですね。これは「今でも上昇している」わけではなくて「過去1年で大きく上昇したので、多少下がっても前年比では上昇を維持している」ということなのかもしれませんが。
これから住宅の購入を検討されている方はこうした地価の動向にもご注目ください。
特にマンション価格については今まで高騰が続いていただけに下がるのかどうか気になるところですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>