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いつもご案内しているように住宅ローン金利タイプのシェア=ランキングに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。それらをご紹介していくと、まず1つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「2018年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。
変動金利型のシェアが徐々に拡大し、2018年度の変動金利型のシェアは約7割となっています。
2つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
最新のデータは「2019年度」となっていますが、実際には2018年3月期に関する調査結果です。こちらも変動金利型のシェアが拡大し、2018年度は約7割になっています。
3つ目は住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」でこのようになっています。
2016年度に一旦シェアが下がった変動金利型ですが、その後は再拡大し2018年度には7割超えですね。そうしたわけでこれらの調査が共通して示しているのは変動金利型の人気拡大です。
4つ目は国土交通省の「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査」でこのようになっています。
こちらは変動金利型のシェアは安定していますが、それでも2018年度のシェアは6割となっています。
5つ目は、同じく国土交通省による「令和元年度住宅市場動向調査」でこのようになっています。
こちらは令和元年度=2020年3月期の調査となっていますが、変動金利型のシェアが過去8年間ほぼ変化なくずっと6割前後を維持しているという結果ですね。他の調査結果とは微妙に異なり、調査手法にもしかすると何かの問題を抱えているような気もしなくはないですが、ただそれでも各調査が共通しているのは
・金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは変動金利型
・その次は固定金利期間選択型
という点ですね。
さて、これらの調査のほとんどが2019年3月末時点のものにとどまり、2019年4月以降の住宅ローン金利タイプのシェア=ランキングの動向が気になるところですが、この度、住宅金融支援機構が発表した「民間住宅ローンの実態調査」によると、
・2019年4月〜2019年9月=2019年度上半期
に住宅ローンを借りた合計1,548名のアンケート結果はこのようになっています。
過去3年の長期金利の推移をチェックすると、基本的には0.05%程度で安定的に推移してきましたが、2018年8月から上昇に転じた後、2018年10月から一転して大きく低下しました。
その後、2019年8月をボトムに上昇していますが、今回の調査期間である「2019年4月〜2019年9月」は金利が史上最低水準まで下がったタイミングであり、
とすると「金利上昇リスク」が後退したわけですから「期間の短い金利」が人気となるのは自明ですが、上記調査結果では変動型のシェアが6割となっていますね。
各年度の「第1回調査」の数字を比較すると2015年度からの金利タイプのシェアはこのように推移しています。
・変動金利型 : 35.8% → 49.2% → 50.4% → 57.0% → 59.0%
・固定期間選択型 : 26.3% → 36.9% → 36.9% → 25.3% → 26.7%
・全期間固定型 : 38.0% → 13.9% → 12.6% → 17.7% → 14.3%
やはり変動金利型のシェアが右肩上がりで増加しています。
2015年以前の調査結果は正直デタラメで信憑性は全くありませんせしたが、住宅金融支援機構もようやく心を入れ替えたのか、その後は納得できる結果を発表するようになっていますね。
ちなみに回答者の方の「今後1年間の住宅ローン金利見通し」はこうなっています。
やはり半年前と比較して「現状よりも住宅ローン金利が上昇する」と回答している方は、どの金利タイプを見ても大きく減少しています。
足元のコロナ禍の影響や長期金利の動向、そしてマイナスに落ちかねない低いインフレ率などを考慮すれば、当面金利低下は続きそうであり、より金利の低い変動金利型の人気が高まるのは当然のような気もしますが、参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>