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いつもご案内しているように住宅ローン金利タイプのシェア=ランキングに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。それらをご紹介していくと、まず1つ目は国土交通省の「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査」でこのようになっています。
こちらは2018年度の数字でちょっと古いですが、最も人気の変動金利型のシェアは6割となっています。
2つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「2019年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。
変動金利型のシェアが徐々に拡大し、2019年度の変動金利型のシェアは7割超となっています。
3つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
最新のデータは「2020年度」となっていますが、実際には2020年3月期に関する調査結果です。こちらも変動金利型のシェアが拡大し、2019年度は7割超になっています。
4つ目は住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」でこのようになっています。
2016年度に一旦シェアが下がった変動金利型ですが、その後は再拡大し2019年度には8割近くとなっています。そうしたわけでこれらの調査が共通して示しているのは変動金利型の人気拡大です。
5つ目は、国土交通省による「令和元年度住宅市場動向調査」でこのようになっています。
こちらは変動金利型のシェアが過去8年間ほぼ変化なくずっと6割前後を維持しているという結果ですね。他の調査結果とは微妙に異なり、調査手法にもしかすると何かの問題を抱えているような気もしなくはないですが、ただそれでも各調査が共通しているのは
・金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは変動金利型
・その次は固定金利期間選択型
という点ですね。
さて、これらの調査のほとんどが2019年度=2020年3月末時点のものにとどまり、2020年4月以降の住宅ローン金利タイプのシェア=ランキングの動向が気になるところですが、この度、住宅金融支援機構が発表した「民間住宅ローンの実態調査」によると、
・2020年4月〜2020年9月=2020年度上半期
に住宅ローンを借りた合計1,500名のアンケート結果はこのようになっています。
過去3年の長期金利の推移をチェックすると割と変動幅が大きかったものの、金利水準自体は低いままでした。
とすると最も金利が低い変動金利型が人気となるのは自明ですが、上記調査結果でも変動金利型のシェアが6割を超えています。
各年度の「第1回調査」の数字を比較すると2015年度からの金利タイプのシェアはこのように推移しています。
・変動金利型 : 35.8% → 49.2% → 50.4% → 57.0% → 59.0% → 62.9%
・固定期間選択型 : 26.3% → 36.9% → 36.9% → 25.3% → 26.7% → 24.5%
・全期間固定型 : 38.0% → 13.9% → 12.6% → 17.7% → 14.3% → 12.6%
やはり変動金利型のシェアが右肩上がりで増加しています。
ちなみに回答者の方の「今後1年間の住宅ローン金利見通し」はこうなっています。
半年前と比較して全体的には「現状よりも住宅ローン金利が上昇する」と回答している方は減少しています。変動金利型が人気となるのも納得いきますね。
他方、全期間固定型を選んだ方の中では逆に「金利が上昇する」との回答割合が増加していますが、だからこそ全期間固定型を選んだと言えるわけで、整合性は取れています。
ただそうは言いつつ、足元のコロナ禍の影響や長期金利の動向、そしてマイナスとなっている低いインフレ率などを考慮すれば、当面金利低下は続きそうであり、より金利の低い変動金利型の人気が高まるのは当然のような気もします。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>