過去1年はコロナに振り回されてきた金融市場ですが、最近は世界で徐々にワクチン接種が進み、関心は「アフターコロナ」、特に消費回復に伴う「インフレリスク」が強く意識されるようになってきています。
実際のところアメリカの長期金利は上昇傾向にあります。これは
・物価上昇(インフレ)→FRBがインフレを抑えるために早期金融引き締め→金利上昇
というシナリオが懸念されているからです。
■アメリカ長期金利
仮にそうしたシナリオ通りの物価が上昇したとしても、それは「経済正常化の証し」とも言えるわけで、そこまで悲観的になる必要もない気がしますが、しかしそのように「インフレ」の可能性が高まってくるとすれば、日本の住宅ローン利用者からすれば落ち着かなくなってきます。
と言うのも日本でも物価が上昇し、安定的に2%を超えるようなことになれば、いよいよ日銀の「異次元緩和」が終了し、金利が上昇することが予想されるからです。
では「コロナ後」に日本の物価は上昇するのでしょうか?上昇するとすればどこまで上昇するのでしょうか?
という訳で、日本経済研究センターが民間エコノミスト約40名から毎月回答してもらい、その集計結果である「ESPフォーキャスト調査」の5月版から、今後の消費者物価上昇率=インフレ率予想を抜粋するとこうなっています。

確かに今年の7月〜9月期に+0.2%へとプラスになるものの、その後も0.5%前後という低い水準が続くという予想ですね!
今のところ「アフターコロナ」で物価がドンと上がって金融緩和が終了し、金利も上昇する、ということを心配する必要はなさそうです。
実際、先日のコラムでご案内したように、さらに強気な日銀の予想でもやはり2%を超えるようなものとはなっていません。
・2020年度:−0.4%
・2021年度:+0.1%
・2022年度:+0.8%
・2023年度:+1.0%
2023年度でもまだインフレ率は+1.0%に留まるということです。
未来のことを正確に予測できる人はいませんが、とは言え素人より専門家の予想の方が遥かに信憑性が高いわけで、今のところコロナ後のインフレによって住宅ローン金利が上がる可能性は低いということです。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>