住宅ローンの金利タイプのシェア＝ランキングに関する調査について、信頼できるものは主に５つです。

まず１つ目は国土交通省が金融機関にヒアリングした調査結果で、このようになっています。



Ｒ１年度＝２０１９年度の数字ですのでだいぶ古くなってしまいましたが変動金利が６割強となっています。

２つ目は住宅金融支援機構が金融機関に対してヒアリング調査したものでこうなっています。



こちらも最新データは２０１９年度となっていますのでだいぶ古いですが、変動金利は８割近いシェアとなっています。

ちなみに住宅金融支援機構はネットでアンケート調査を行った結果も発表しています。



こちらは２０２１年３月までカバーされていますが、変動金利のシェアは７割近くとなっています。

３つ目は国土交通省が住宅購入者に対してアンケート調査を行ったもので、このようになっています。



こちらも２０２０年度がカバーされていますが、変動金利のシェアは７割近くまで伸びています。

４つ目は、一般社団法人住宅生産団体連合会の「2020年度戸建注文住宅の顧客実態調査」ですね。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。

＞＞＞住宅ローン金利タイプランキング、当サイトお勧めタイプは何位？住団連2021年調査



こちらも２０２０年度が最新で、変動金利のシェアは約８割です。全体的に「変動金利の人気が高まっている」ということで良さそうです。

市場金利が低水準にあるだけでなく、イールドカーブコントロールによって金利の上限が抑えられている＝金利上昇リスクがほぼない状況ですから当然かもしれませんね。

そして今回ご案内する調査が一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。

取り上げるのが大分遅くなってしまいましたが、その２０２１年版の結果を抜き出すとこうなります。



変動金利の過去のシェアを抜き出すとこうなっています（２０１８年度以前の数値はこのグラフには含まれていませんが）。

・２０１６年度：６３．９％
・２０１７年度：４３．６％
・２０１８年度：５９．３％
・２０１９年度：６６．４％
・２０２０年度：７３．８％
・２０２１年度：８２．１％

過去５年で変動金利のシェアが大きくＶ字回復していることが分かります。やはり「変動型人気」は間違いなさそうですね。

過去５年の長期金利の推移をチェックしてみるとこうなっています。



長期金利は日銀によって上限を抑えられて低金利を維持したわけで、金利上昇リスクが後退した中で変動型の人気が拡大するのは当然と言えるかもしれません。

他方でここ最近は世界的なインフレや利上げの動きを受けて金利は上昇傾向にあり、こうした状況で住宅ローン金利タイプのシェアがどう変わるのか気になるところです。

ちなみに上記金利シェアの内訳を見ると、当サイトお勧めの「ミックス型」のシェアはこのようになっています。

・２０１６年度：９．５％
・２０１７年度：９．４％
・２０１８年度：９．５％
・２０１９年度：７．０％
・２０２０年度：４．１％
・２０２１年度：２．９％

もはや絶滅危惧種ですが、上記の通り金利上昇リスクが後退している中ではこれまた当然なのかもしれません。

参考になさってください。

＜日本住宅ローンプランニング編集部＞