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これまで安定して推移してきた住宅ローン金利ですが、気になる動きが日銀が「長期金利変動幅拡大」を決めたことですね。
日銀は2016年秋に開始されたイールドカーブコントロールによって長期金利を概ね「−0.1%〜0.1%」の範囲内に収まるよう操作してきましたが、2018年7月末にこれを「−0.2%〜0.2%」に拡大しました。
つまり長期金利の上限が0.1%から0.2%に上がったのですね。
さらに2021年3月には「−0.25%〜0.25%」へと再拡大しました。これらは実質的に「金利引き上げ」を意図したものと言えますので金利上昇が懸念されたわけですが、その後の長期金利の推移をチェックするとこうなっています。
長期金利は大きく上昇することなく落ち着いて推移してきたわけです。2019年秋には−0.3%前後まで下がり史上最低水準となりました。
ただし。
足元ではハッキリ上昇しています。本日は0.176%ということで一時よりは下がりましたが、それでも今までと比べれば高い水準で推移しています。
これは世界的にインフレが進み、各国の中央銀行が利上げを進めているためです。世界の金融市場はつながっていますので、海外で金利が上昇すれば日本の金利も上昇圧力を受けることになります。
上記の通り今のところイールドカーブコントロールの上限は「+0.25%」ですのでそれをずっと上回るような金利上昇にはならないと思いますが、住宅ローン利用者としては要注意です。
さて本題の住宅ローン市場においては、コロナ禍によって逆に需要が増加するという意外な結果となっていますが、では直近の動きがどうなっているかと言うと、3ヶ月に1度発表される日銀の「主要銀行貸出動向アンケート調査」から調べてみたいと思います。
今回は調査期間が2022年6月9日〜2022年7月8日となっており、2022年第1四半期=2022年4月〜2022年6月の動向が概ね反映されております。
では早速今回発表された最新の数値をチェックしてみたいと思います。気になる個人の資金需要=ローン需要を見てみるとこのようになっています。
「個人向け」の欄を見てみると指数は3ヶ月前の「0」から「−5」へ低下しています。思いのほか後退しているわけですね!上記の通り金利上場が要因でしょうか。
回答金融機関の内訳はこうです。
・やや増加:2%
・横ばい:88%
・やや減少:8%
・減少:2%
確かに減少と回答している金融機関が増えていますね。
次にその個人の資金需要を「住宅ローン」と「消費者ローン」に分けてみるとこうなります。
抜き出すと前回と比較してこういうことになります。
・住宅ローン:−1→−6
・消費者ローン:−1→−1
住宅ローンも消費者ローンも資金需要が減少したということですね。特に住宅ローンの需要が減少しています。
次に 「今後3ヶ月予測」はこのようになっています。
個人向けの資金需要は前回の「0」から「−1」へ後退する見通しとなっています。弱気ですね。金利上昇が続くという見立てをしているのかもしれません。
次に「金融機関の貸出スタンス」はどうなっているかと言うと、まず過去3ヶ月はこう。
銀行の貸出スタンスも「5」から「3」に後退しています。
最後に貸出スタンスの「今後3ヶ月予測」はこう。
こちらも前回の「6」から「4」に後退しています。ただ、「慎重化」と回答した金融機関は1つもありませんので、その点では銀行の貸出スタンスは引き続き積極的と考えても良さそうです。
金利上昇が要因からか住宅ローン需要は意外と後退しているようですが、ただ住宅ローンの中でも変動金利は低金利が続いていますので、そこまで条件が悪くなっているわけではないですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>