※当サイトには広告リンクが含まれています。
住宅ローン金利タイプのシェアに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。ざっとチェックしていくと、まず1つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「2021年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。
変動金利型のシェアが徐々に拡大し、2021年度には9割近くとなっています。
2つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
最新のデータは「2022年度」となっていますが、実際には2021年3月期に関する調査結果です。こちらも2020年度から2022年度にかけて変動金利型のシェアが上昇していることが分かります。
3つ目は住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの実態調査」でこのようになっています。
こちらも2019年度以降、変動金利型のシェアが徐々に拡大していることが分かります。最新の2022年10月調査では少しシェアを落としていますが、しかしそれでも圧倒的な1位である点は同じです。約7割ですね。
そうしたわけでこれらの調査が共通して示しているのは変動金利型の人気ですね。
4つ目は国土交通省の「令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査」でこのようになっています。
こちらは変動金利型のシェアは8割ということですね。
では前置きが長くなりましたが、本題の同じく国土交通省による「令和4年度住宅市場動向調査」の中身をチェックしていきたいと思います。こちらは
・2021年4月〜2022年3月に住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯
に対するアンケート調査で、回答者数は約3,500名とかなり大規模なものですね。気になる住宅ローンの金利タイプはと言うとこうなっています。
こちらも変動金利型のシェアが少し上昇していますね。と言うわけで、
・金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは変動金利型
という結論で良いと思います。
また、住宅タイプによってもさほど大きな変化はなく、変動金利型の人気がうかがえます。金利水準が一番低いわけですし、金利上昇リスクが低いとなれば当然かもしれませんが・・・。
さてこの調査から住宅ローンに関わる回答についてもう少し見てみると、住宅ローンの年間返済額と返済負担率はこのようになっています。
年間返済額は概ね120万円前後、返済負担率は概ね17%前後ということですね。返済負担率の上限は20%〜25%と言われていますので、この水準は健全だと言えそうです。
住宅タイプ別の具体的な数字を抜き出してみるとこうですね。
・注文住宅 : 年間返済額174万円/返済負担率16.4%
・戸建住宅 : 年間返済額127万円/返済負担率18.8%
・マンション : 年間返済額148万円/返済負担率17.4%
・中古戸建 : 年間返済額107万円/返済負担率16.6%
・中古マンション : 年間返済額101万円/返済負担率16.6%
注文住宅やマンションの返済額が多いですが、返済負担率は高いわけではなく、相対的に高所得層が注文住宅やマンションを購入している様子がうかがえます。
次に住宅ローンの返済期間はこうなっています。
大体30年前後ということですね。こちらも抜き出すとこうなります。
・注文住宅 : 建築33年/土地35年
・戸建住宅 : 33年
・マンション : 30年
・中古戸建 : 28年
・中古マンション : 39年
ほとんど変わりはありません。
ただこの数字で気を付けないといけないのは、これはあくまで「借入時の返済期間」である、という点ですね。
現実には積極的な繰り上げ返済によって、この返済期間はどんどん短くなっていくのが通例です。住宅金融支援機構の調査では、実際の「完済期間」は「15年前後」ということになっています。
2019年度は「16.0年」となっています。つまり多くの方が当初の返済期間の半分の期間で住宅ローンを返し終わっているということですね!
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>