いつもご案内しているように住宅ローン金利タイプのシェア＝ランキングに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。それらをご紹介していくと、まず１つ目は国土交通省の「令和４年度民間住宅ローンの実態に関する調査」でこのようになっています。



こちらは２０２１年度の数字でちょっと古いですが、最も人気の変動金利型のシェアは８割近くとなっています。

２つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会が発表した「２０２１年度戸建注文住宅の顧客実態調査」です。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、その金利タイプはこのようになっています。



変動金利型のシェアが徐々に拡大し、２０２１年度の変動金利型のシェアは９割近くとなっています。

３つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。

最新のデータは「２０２２年度」となっていますが、実際には２０２１年３月期に関する調査結果です。こちらも変動金利型のシェアが拡大し、２０２１年３月期は８割超になっています。

４つ目は住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」でこのようになっています。



こちらも変動金利型が７割超えですね。残念ながら最新の数字は発表されていませんが。そうしたわけでこれらの調査が共通して示しているのは変動金利型の人気拡大です。

５つ目は、国土交通省による「令和４年度住宅市場動向調査」でこのようになっています。



こちらも直近では８割に上昇しています。

という訳で各調査が共通しているのは

・金利タイプランキングの中で断トツに人気なのは変動金利型

・その次は固定金利期間選択型

という点ですね。

さて、これらの調査のほとんどが２０２１年度＝２０２２年３月末時点のものにとどまり、２０２２年４月以降の住宅ローン金利タイプのシェア＝ランキングの動向が気になるところですが、この度、住宅金融支援機構が発表した「民間住宅ローンの実態調査」では、

・２０２２年１０月〜２０２３年３月＝２０２２年度下半期

に住宅ローンを借りた合計１，５００名のアンケート結果はこのようになっています。



変動型が再度増加して７割超ということですね！

２０２２年度下半期の長期金利をチェックすると、日銀の実質的な利上げもあって全体的には大きく上昇しました。



そうした中で、変動金利のシェアが再拡大したというのはちょっと意外な気もしますね。

ちなみに回答者の方の「今後１年間の住宅ローン金利見通し」はこうなっています。



半年前と比較して全体的に「現状よりも住宅ローン金利が上昇する」と回答している方が減っていますね！意外です。

その点では変動金利が人気だったのも分かりますが、とは言いつつ長期金利は上昇していたわけで・・・ちょっと矛盾した回答にも感じますね。実際のところその後金利は上がっていませんが。

参考になさってください。

＜日本住宅ローンプランニング編集部＞