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6月となりました。いつものようにまず市場金利の動向を振り返ってみたいと思います。
上記グラフの通り長期金利は基本的には右肩下がりだったわけですが、特に2016年1月末に発表された「マイナス金利政策」の影響で大きく低下し、その後も安定的に推移してきました。
その背景にあるのは2016年秋から日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」、別名「イールドカーブコントロール」が始まったことです。これは「日銀が直接的に市場金利をコントロールしていく」金融政策ですが、この枠組みの元で長期金利の操作目標は「0%」に設定されました。
ただその後は、2021年4月に日銀が長期金利の変動幅をこれまでの「−0.2%〜+0.2%」から「−0.25%〜+0.25%」に拡大し、さらに2022年12月には「−0.5%〜+0.5%」に拡大し、2023年7月には変動幅の上限が「+1.0%」に引き上げられました。実質的な利上げですね。
そしてついに2024年3月には、インフレの定着を受けてマイナス金利もイールドカーブコントロールも終了となりました。本日の長期金利は「1.065%」ということでだいぶ上昇してきました。過去5年の長期金利をチェックするとこうなっています。
金融政策の変更に合わせて長期金利も徐々に上昇してきたということですね。
ただ今年はアメリカでいよいよ利下げが始まるとすると、それに呼応して日本の金利も低下するのではないかと思ったりもしますが、今後の市場金利の動向には要注意です。
そのような金利環境を理解した上で、具体的に三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の大手銀行=メガバンクの6月の住宅ローン金利をチェックするとこのような結果となっています。
・変動金利 : 据え置き
・10年固定金利 : +0.05%〜+0.14%
・20年固定金利 : +0.05%〜+0.13%
・30年固定金利 : +0.05%〜+0.11%
固定金利については概ね+0.1%前後の上昇ということですね。
先日の当サイトのコラムでは「6月の住宅ローン金利は変動金利タイプはほとんど変わらず。固定金利タイプはわずかに上昇。」と予想しましたが微妙に外しましたかね・・・。
>>>[2024年6月の住宅ローン金利予想] 変動はほとんど変わらず、固定はわずかに上昇
[2024年6月の住宅ローン金利]
上記ご案内したように、メガバンクの6月の住宅ローン金利は
・変動金利 : 据え置き
・10年固定 : 引き上げ
・20年固定 : 引き上げ
・30年固定 : 引き上げ
と言うことで全体的に引き上げとなりました。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、フラット35・20の金利は別のコラムにて既にご案内しておりますがこうなりました。
・フラット20金利 : 1.44% → 1.46% (+0.02%)
・フラット35金利 : 1.83% → 1.85% (+0.02%)
>>>[速報!2024年6月のフラット35金利] フラット35=1.85%、フラット20=1.46%
先日のフラット35・20の金利予測では
・フラット20金利 : 1.44% → 1.46% (+0.02%)
・フラット35金利 : 1.83% → 1.85% (+0.02%)
と予想しましたが、今回は珍しくピタリと当たりました。
>>>[2024年6月のフラット35金利予想] 前月比+0.02% フラット35金利1.85%?
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、先月と今月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(住宅ローンWEB申込コース)
・変動金利 : 0.298%〜0.320% → 0.298%〜0.320% (据え置き)
・10年固定 : 1.323% → 1.413% (+0.09%)
・20年固定 : 1.713% → 1.803% (+0.09%)
・30年固定 : 1.753% → 1.843% (+0.09%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行
・変動金利 : 0.425% → 0.425% (据え置き)
・10年固定 : 1.140% → 1.280% (+0.14%)
・20年固定 : 1.970% → 2.090% (+0.12%)
・30年固定 : 1.810% → 1.920% (+0.11%)
>>>最新の金利はこちら
上記の通り今月の住宅ローン金利は全体的に+0.1%前後の引き上げでしたが、それを象徴するような金利変動となっています。
さてこちらも当サイトで人気のSBI新生銀行の6月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆SBI新生銀行
・変動金利 : 0.290% → 0.290% (据え置き)
・10年固定 : 0.950% → 0.950% (据え置き)
・20年固定 : 1.350% → 1.350% (据え置き)
・30年固定 : 1.450% → 1.450% (据え置き)
こちらは金利据え置きですね。全体的に金利が上昇している中では却って積極的です。
>>>最新の金利はこちら
SBI新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利以外のサービス拡充にも注力しています。そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
また、10年以上経過すると徐々に金利が下がっていき、最大で50%ダウン=半分となる金利タイプ「ステップダウン型金利」の発売を開始しています。ユニークですね!長期固定金利の住宅ローンの利用を考えている方は参考にしてみてください。
[2024年7月以降の住宅ローン金利の動向]
今後の住宅ローン金利の動向ですが、足元では円安に伴う追加利上げ観測で長期金利は上昇しており、当面は金利上昇圧力がかかりそうです。
次に利上げが行われればさすがに変動金利も少し上昇しそうですしね。
ただそうは言いつつ今後世界的に「利下げ」が始まってくるのであれば、日本の金利も下がっていくのではないかと思います。こちらについては期待したいところです。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2024年6月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.290%〜2.675%
・10年固定:0.950%〜5.100%
・20年固定:1.350%〜2.650%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
こうして見ると引き続き魅力的な金利水準です。多少上がったとしても住宅ローン金利が「史上最低水準」であるのは間違いありません。着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>